▼ 船旅を楽しもうか
「おーい、ななしー?起きてるー?」
「ん……?ここは?」
私はいつの間にか気を失っていたようだった。何をされたのか覚えていない。
目を開けると、目の前にはメイがいた。周りを見回してみると、船の甲板が見える。つまりここは船の上だ。
「ここって、ジェリーフィッシュ快賊団?」
「そーだよ!ななしが気を失っていたまんまだったからボクが連れてきたの!なんであんなところで寝てたの!」
起きて早々、メイに叱られてしまった。確かに気を失っていたまんまじゃどのような危険に合わされるかわかったもんじゃない。
「あ、その節はありがとう」
「のんきに礼なんてしてる場合じゃないよ!ななしは危機感持ちなよ」
「うう、滅相もございません」
「とにかく、ななしが無事でよかった!」
メイはそう言って私にダイブした。メイの重さに耐えられず、私はまた倒れる。
そういえば、この船ってどこへ向かっているんだろう。
「あのさ、メイ」
「何?」
「この船ってどこへ向かってるの?」
「今のところはまだ目的地は決まってないよ」
「そっか。じゃあしばらくはメイや快賊団のみんなと一緒だね」
「やった!じゃあななし、船の中探索しよ!」
「わっ、待って、メイ」
どこへ向かうかわからない船だけど、たまにはのんびり船旅もいいかもしれない。
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