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▼ 夜はまだこれからだ

※アクセル視点


「そういやななしちゃん、元気かなあ」
「あァ?あいつはそう簡単にくたばるタマじゃねえだろ」

俺はぼんやりと酒を飲みながらぼやいた。たまたまソルの旦那と会い、近くの酒場で飲んでいたところだ。
ななしちゃんとは一緒に会えば酒場に行き、飲むことが多々ある。彼女は確か、イギリス人だったか。それくらいしか知らない。

「でも本当に最近会わないなと思ってね」
「お前が忘れたころにひょっこり出てくるだろ」
「そんなのってなくない!?あの子ちょっと目を離したらいなくなるから心配だよ」
「心配するまでもないだろ、今、そこで飲んでる」
「へ!?」

旦那が指さした先には、彼女がいた。彼女もまた、飲んでいたのだ。
マスターと談笑しながら飲んでいるらしい。そんな彼女を見て、俺はまたかわいいなあと思ってしまう。

「でね、今度の賞金首はさ」
「ななしちゃーん!」
「うわっ、アクセル!なんでここに!?」

俺が話しかけると、ななしは驚いた顔つきでびっくりしていた。途中酒場にいた人たちがギロリと睨んでいたので軽く謝っておく。
抱きつきたい、とも思ったがさすがにそれはやめておくか……。

「久しぶり、なにしてたの?てかソルもいる。おひさー」
「おう、久しぶりだな」
「それはこっちのセリフだよななしちゃん!今までどこにいたの!?」
「賞金首を狩りながら町を転々としてましたけど」
「大丈夫?ケガとかなかった?」
「ちょっ、アクセル!過保護すぎるよ」
「ちったぁ落ち着け」
「あ痛!」

旦那が俺に拳骨を落とした。そんな馬鹿力で殴らなくてもいいじゃない。
でも俺がななしちゃんのことを心配していたのは本当だ。でも無事でよかったよ。

「さーて、俺とななしちゃんの再会を祝してじゃんじゃん飲んじゃうぞー!」
「アクセル、はしゃぎすぎだよ!」
「文無しになっても知らんぞ」

俺たちの夜はまだこれからだ。


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