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▼ タイムスリップは何時も突然に

「メリークリスマス!アクセル!」
「うわあ!……って、ななしちゃんか」

私は前を歩いていたアクセルに抱き着いた。幸いここは街ではないので誰もいないのである。
アクセルは驚きながら目をぱちくりさせている。驚かせすぎたかな。

「何、いきなり抱き着くなんてどうしちゃったの。俺としては嬉しいけどさ」
「今日は何の日でしょうか!」
「今日?そういやななしちゃん何時もの恰好と違くない?それも可愛いけど」

アクセルが私をじろじろと眺め始める。どことなく目線がイヤらしい気もするけど、まあそれは何時もの事なのでまあいいか、と思っちゃってる自分がいる。
私は「ふっふっふ」と含み笑いをした後、後ろに持っていたものをアクセルの前に差し出した。

「はい、メリークリスマス!そして誕生日おめでとう!」
「え、ああ、そっか、俺の誕生日ね」
「……もしかして自分の誕生日忘れてたの?」
「あ、プレゼント開けてもいい?」

アクセルはごまかすようにプレゼントを開けようとする。と、突然アクセルの姿が透け始めた。

「こんな時にこれかよー!」
「待って、アクセル!」
「そんな心配しなくてもだーいじょうぶだって、俺はまたここに戻ってくるからさ!」

アクセルはニッと笑ってそう言い放った後、シュン、と消えてしまった。残された私は、アクセルがいた位置を手で触れる。

「……必ず戻ってきてね、アクセル」


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