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▼ 旅の話

「あれ、あそこに見えるのって……」

私は街を出た後、あるものを発見した。空賊、ジェリーフィッシュ快賊団の船だ。
そういえばみんなは元気だろうか、と思い、船の方へ走り出す。近くに来ると、外にいたメイが手を振ってきた。

「あ!おーい、ななし!」
「メイ!元気そうだね」

私はメイに手を振り返し、メイと合流した。元気そうで安心する。
私は船を見渡し、他の皆は元気か尋ねる。

「みんな?みんななら元気だよ!」
「それはよかった」
「ところでななしはどうしたの?なにか面白いものでも見つけた?」
「うん。いろいろ見てきたよ!」
「ねえ、その時の話をしてほしいな!」
「いいよ、そういえばジョニーさんっているの?」
「ジョニーなら街の方に出ているよ」
「そっか。じゃあ挨拶は今度かな」
「じゃあボクの部屋に案内するよ!」
「ちょっ、メイ、落ち着いて」

メイに引っ張られるまま、ジェリーフィッシュ快賊団の船へ入っていく。内装はそんな変わってないなと思いつつ、メイの部屋へ通される。
途中他の乗組員とすれ違い、あいさつを交わしていく。他の皆も元気そうでなによりだ。

「さ、ななしも座んなよ!」
「じゃ、じゃあ、遠慮なく」
「ね、ね、早く、お話しよ!」
「うん。大した話じゃないけど……」

私はそう言って、これまで旅した場所のことを話す。メイは興味本位に聞きながら、時々相槌を打つ。
長々と話が終わるころには日は暮れており、メイもまた、眠りそうだった。

「ごめん、話長かったかな」
「いや、ボクの方こそごめん。眠くなっちゃうところだったよ」
「いいよ、じゃあ、私はそろそろ退散するよ」
「あっ!ちょっと待って!」

私が帰ろうとする直前、メイが私の腕を掴み引き留めた。私は思わず、メイの方を向く。

「どうしたの?」
「ね、ね、今日、ここに泊まらない?」
「えっ、そんな、悪いよ」
「大丈夫だよ!ジョニーもななしならいいよって言ってくれるし!」

メイがグッと親指をあげる。どうやら承知前提らしい。
私はお言葉に甘え、ジェリーフィッシュ快賊団の船に泊まることにするのだった。メイは喜んで私の胸にダイブする。

「じゃあ、今日はよろしくね!ななし!」
「うん、よろしくね、メイ」

こうしてジェリーフィッシュ快賊団の船での夜が始まるのだった。

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