「あれ、ヴェノムさんじゃないですか」

「……ん、ああ、ななしか」

「こんなところで何してるんですか？」

「ちょっと、買い物をな」

「もしかして贈り物ですか？」

「そうだな。ちなみにもう買ってある」

「もしかしてミリアさんに送るんですかね」

「違う」

「（高速で否定したな）じゃ、じゃあ、ザトーさんとか」

「ザトー様にはもう送った」

「早っ！あとは……うーん、チップさんとか」

「違う」

「一体誰に送るのかすごい気になるなあ……」

「……お前だ、ななし」

「え、今、なんと」

「だから、お前だと言っている。ななし」

「ホントに私？」

「そうだ。バレンタインデーのお返しをと思ってな（スッ）」

「わあ、ありがとうございます。……ちなみに開けても大丈夫ですかね」

「大丈夫だ。危険な物ではないから安心するがいい」

「……綺麗なネックレスですね。本当にこれ、貰っちゃってもいいんですか？」

「ああ。ななしに似合うだろうと思って買ったのだ」

「……ヴェノムさん、嬉しいです」

「よろこんでくれて何よりだ。では、私はこれで失礼するよ」

「大切にしますからね。ヴェノムさんもお気をつけて」

「ああ」


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