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▼ 追いかけた先に待つものは

「……これに懲りたら、私に付きまとわないことね」
「……言いがかりですよう」

私は目の前に立ってるミリアさんと戦い、盛大に倒れていた。
それというのも街で偶然ミリアさんを発見し、後をつけるつもりはなかったのだがストーカーと思われて戦うハメになってしまった。
スキのないミリアさんの攻撃に私は攻撃を防ぐのでやっとだった。アサシン組織を抜けたとはいえこの強さはまだまだ健在ということか。

「だから私はストーカーじゃないんだって……」
「犯人はみんなそう言うわ」
「たまたま見かけたんでちょっと追ってみただけですよう……」
「それをストーカーと言うんじゃない」

ミリアさんに一刀両断され、私は「うう」と唸るだけになってしまった。
とはいえ、ミリアさんにストーカーのようなことをしたのは事実だ。それは謝らないと。と思い、傷ついた体をぐっと起きあがらせる。

「追いかけてしまってすいませんでした」
「……とはいえ、私もやりすぎてしまったわ。ごめんなさい、ななし」
「いえ、元はと言えば私が勝手に追いかけて行った訳ですし……」

ミリアさんに謝られ、私も思わず言い訳してしまう。どうしよう、謝らせるつもりはなかったんだけどな……。
と、私はあまりの痛さによろけてしまう。つかさずミリアさんが髪を伸ばし、私の体を支える。

「あ、ありがとうございます」
「大丈夫かしら?」
「大丈夫ですよ!心配はいらな……いてて」

私は自力で立ち上がろうとするがまたよろけてしまった。今度は無事に立てたようだ。
ミリアさんはそんな私を見て、手を差し出した。掴まれ、ということだろうか。

「そんなことしなくても大丈夫ですよって!」
「私もやりすぎた。街まで送っていくわ」
「いや、大丈夫……わっ!」
「……大丈夫じゃないみたいだけど?」

私は思いっきりよろけてしまった。それを見たミリアさんは呆れて私の手を掴んだ。
私が呆気に取られているとミリアさんは歩き出した。つられて私も歩き出す。

「ほら、行くわよ。ななし」
「本当にありがとうございます……」
「無理なら肩を貸すわよ」
「いえ、そこまでしてもらわなくても大丈夫です」

ミリアさんの手、暖かいな。と思いつつ、私はミリアさんと共に街へ歩き出すのだった。


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