サンタさんの背後には


「さてさて、皆さん眠ってるでしょうか」

私はサンタのコスプレをしながら、子供ファイターの元へプレゼントを届けようとしていた。
今年もまた、マスターからサンタに任命されてしまった。マスターの方からあらかじめ用意されていたプレゼントを袋に詰めて、一つ一つの部屋を回るのだ。

「最初はどこから回りましょうか」
「まだ起きていたのか」
「!!」

背後から聞こえた声に驚き、思わず後ずさる。恐る恐るその人物を顔を見てみると、そこには最近ここへ来たばっかりのセフィロスさんがいた。
セフィロスさんは私を一瞥し、そのまま去ろうとする。

「ちょ、ちょっと待ってください」
「なんだ」
「つかぬことをお聞きしますがセフィロスさんは何してたんですか?」
「お前には関係ないだろう」

セフィロスさんはそう言い放って、そのまま去っていった。去り際に「絶望を送ろうか」と物騒なことを呟いていた気が……する。
気を取り直してプレゼントを配ろう、そう思って私はドアを開けたのだった。




「なんとか終わりました」
『お疲れ様。お茶でもどうぞ』
「ありがとうございます、マスター」

私はプレゼントを配り終えたことをマスターに報告した。出されたお茶に口をつける。お茶のやすらかな味わいが気持ちを落ち着かせてくれている。

『ところでななし』
「なんでしょうか」
『新しいファイターの彼はどうだい?』
「な、なんか上手くなじめるか不安です」
『まあそのうち慣れるよ。頑張って』

マスターはそうプラカードを出したままピースをした。正直まだセフィロスさんのことはよくわからないし、まだどんな人かもわかっていない。
これから先、仲良くなれるかもわからない。けど、仲良くなれたらいいなと思うのだった。

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