時季外れのたわいのない話


私は洗濯を終え、リビングに戻ってくる。リビングには、ゼルダさんがソファでゆっくりしていた。
ゼルダさんは私に気が付くと、手を振ってくれた。

「あ、ななしさん。お帰りなさい」
「ただいま戻りました、ゼルダさん」

私は近くにあった椅子に座り、ゼルダさんに向き合った。ゼルダさん、やっぱり綺麗だな。

「ねえななしさん。最近、また暑くなってきてますね」
「そうですね。もう10月なのに」
「ななしさんは暑くないかしら?」
「大丈夫ですよ」

と返してみるも、それでも少し蒸し暑いくらいだ。誰かが持ち込んだうちわを掴み、仰いでいる。
少しそよそよとした風が心地よい。

「ゼルダさんも使いますか?」
「いえ、私は大丈夫です」
「水とか持ってきましょうか?」
「じゃあ、お願いしようかしら」

私はうちわを置き、キッチンへ向かいだす。私とゼルダさんの分の水を注ぎ、リビングにいるゼルダさんの元へもっていった。
ゼルダさんは「ありがとうございます」と一礼して水を飲み始めた。私も水を飲み始める。

「それにしても冬も暑かったらどうしましょうか」
「さすがにそれはないかと思いますよ」
「いや、今がこんなに暑いもの。冬はもっと寒かったらどうしましょう」
「その時はこたつ、出しますね」
「楽しみに待ってますね」

そんなたわいのない話をしながら、時季外れの暑さは過ぎていくのだ。

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