▼ 4.誘っているように見えたので、つい。
「うわっ!」
「きゃあ!」
突然歩いていたら誰かと衝突した。当たった衝撃で床に倒れてしまう。
なんとか受け身を取ってみるも背中から鋭い痛みが走る。結構当たってしまったようだ。
相手の方はなんともないようで「大丈夫か?」って顔を覗きながら聞いてきた。
「あ、はい、大丈夫です」
「そうかい。そりゃよかったな」
「ご迷惑をおかけしました……すいません!」
「いや、俺のほうこそ悪かった。悪ぃな」
そういうなり相手は顔を覗き込んできた。相手は燕青さんだった。
燕青さんは「よーしよし」って頭をポンポン軽くたたいた。未だ倒れたままなので奇妙な光景ではあるが。
「あの、燕青さん。立ちたいんだけど」
「いやァ、今のアンタ、誘ってるようにしか見えねえんだけど」
「さそっ……!?そんなつもりはないんだけど」
「そんなこと言ってもなぁ」
燕青さんは私をじろじろと眺める。背中は床に接し、足は投げ出されてギリギリ下着が見えるか見えないくらいかのところでスカートもめくれてしまっている。
そのまま燕青さんは私の上に乗った。ま、まさか、このまま食べられるのではないのだろうか。
「ちょっ、燕青さん、ここ、廊下です!やめてください!」
「いや、待たねえ」
「っ!!」
私はジタバタして暴れる。燕青さんは「落ち着け!」と言ってくるが今はそれどころではない。
こんなところで食べられてしまうのはごめんだ。私は早くこの場から脱しようと暴れる。
燕青さんは少し無言になった後、顔を近づけて唇を合わせた。つまりキスだ。
私はキスされた衝撃で暴れるのをやめた。燕青さんも唇を離し、私をじっと見つめる。
「少しは落ち着けって」
「ご、ごめんなさい……」
「んじゃ、続きは部屋でやるとするかぁ」
「えっ、まだ、仕事、終わってないんだけど!」
「いや、待たねえ」
そういうや燕青さんは私をお姫様抱っこで担ぎ上げた。そして燕青さんはそのまま私を自室へ連れて行くのだった。
4.誘っているように見えたので、つい。
お題:確かに恋だった
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