おかしなことをサラっと言ってみる5題 | ナノ
▼ 1.ミニスカートは好きですよ、脚が見えますし。

「キバナー!」
「おっ、ななしか。今日はどうした?」
「ポケモンバトルしてほしいです!」

私はキバナを見つけるなりいきなり勝負を挑んでみた。……無謀だとわかっていても。
かれこれたまにポケモンバトルをすることがあるけど大抵はキバナの勝ちで終わるのも何時もの事だ。負けると分かっていても挑まずにはいられないのだ。
それに、ポケモンバトルが楽しいってのもある。勝っても負けても笑顔で戦えるのは何より嬉しいからだ。
キバナは私を一瞥した後、モンスターボールを持った。つまり乗ってくれるってことだ。

「いいけど、後悔すんなよ?」
「臨むところよ!」

私もまた、モンスターボールを持った。私もキバナもボールを高く空に投げるのだった。



「やっぱ強いなあ、キバナは」
「そりゃそうだろ。オレさまはダンデのライバルなんだからよ」

倒れたパルスワンに私は駆け寄り、「頑張ったね」って声をかけボールに戻した。キバナもまた、ヌメルゴンをボールに戻した。
やっぱり負けてしまった。けど不思議と悔しさはない。私はキバナと握手をかわす。

「また今度、挑むよ」
「おう、いつでも来い。……ところでななし」
「なに?」
「今日はミニスカートじゃないんだな」

キバナはまじまじと私の下半身を眺めて行った。私は何時もミニスカートだけど今日は珍しくパンツスタイルである。
キバナがこう、相手の衣装について言及するのはちょっと珍しい気がする。何時もダンデさんの話題かポケモンバトルの戦術についての話題とかで振ってくることのほうが多いからだ。

「?何か変ですか?」
「いや、そうじゃないんだ。ただ、ミニスカートの方がお前の脚もよく見えるからオレさまとしてはそっちの方が好きだなって」
「えっ、ちょっとキバナ、変態くさいよ」

私はそう言ってキバナから距離を取った。まじまじと眺めていたらミニスカートの方が脚が見えるから好きと言われてちょっと引いたからだ。
まさかキバナにそんな趣味があったのか……と思いつつ、このまま後退する。キバナはそれを逃さず、私の腕を掴む。

「そんなこと言うなって、今の服も似合ってるけどよ、ななしはミニスカートの方がいいな」
「ちょっと、離してください」
「やだね。よし!このままブティックに寄っていくか」
「なんで!?」
「いやー、この流れで行かないほうがおかしいだろ」
「いやそれおかしいよね!?」
「んじゃ、早速行きますか」
「はーなーしーてえええええええ!!」

私はキバナに引きづられるようにして歩き始めるのだった。いや、歩いてるというより引きづられてるけどもね!
そしてこのままブティックへ向かうのでした。……知りたくなかったなあ。


1.ミニスカートは好きですよ、脚が見えますし。
お題:確かに恋だった


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