神父淫魔10 | ナノ



「あんまいいのが無かったんだけどよぉ……」
そう言いながらにやりと笑ったシズちゃんにぞくぞくと背筋が凍る。嫌な予感と、それだけではない期待だ。組み敷かれた状態でシズちゃんに全てを預けるようにしてくたりと全身の力を抜いた。まるで強請っているかのような仕草に、シズちゃんが鼻で笑う。しかし本能がそうさせてしまい、理性ではどうにも出来なかった。
「……ふ、ぁあぁ、ん」
「淫魔退治には昔っから、牛の乳だって相場が決まってんだろ?」
「……えっ? や、ぁぁ、やらっそんなのっ……聞いたことな……っ!? ふあぁぁっ!?」
「丁度飲もうと思ってたのがあったからよ、ちと勿体ねえが害虫駆除は大事だからな」
瓶のコルクが抜かれ、嫌な予感がした次の瞬間ぶすりと冷たいガラスの蓋が後孔に挿入されていた。そして冷たい液体――――もといミルクが俺の胎内に大量に注ぎ込まれる。
「やぁっ! あっ! あっ!……だめぇ、入って、はいってるぅ、うあ、くるし、つめたいよぉ……っ!」
「あーばーれーんーな」
ぐっと首根っこを掴まれ、床に頬が押し当てられた。とても苦しくて痛いのだがそれどころではない。後孔から注ぎ込まれた大量のミルクが胎内を物凄い勢いで逆流してくるのだ。
それはいつも俺が人々の上に乗っかって注いでもらっている精液の並ではない。
精液と違って粘度も少なく温かくも無いミルクはどこにも引っ掛かる事無くどんどん俺の胎内奥深くまで注ぎ込んできた。
「やらっ……あっああぁうぅうううん、おっおぼれちゃうよぉお」
「溺れねえだろ流石にこんなもんじゃ」
「むり……っぃいぅう、もっぉ、……ぅあっ、ぅぁあぁん」
限界まで注ぎ込まれたところでぐいぐいと瓶の口を押し付けられる。全部入りきったのか、シズちゃんは最後の一滴まで残さず俺の中に注ぎ容れ、重力に従うように体勢を変えた。
腰をシズちゃんによって持ち上げられ、俺の足は完全に宙に浮いている。俺は両手と首だけで自分の体重を支える事になり、かなり苦しい体位だった。
「ふ……っぅ、ぅぅ、ぅあっ!?」
「いちいち大声あげんなっつの。うるせーから」
ぎゅぽんっと後孔から抜ける、排泄に似た感触に思わず鼻に抜ける甘い声が漏れた。どんな状況下でも俺は所詮淫魔である。快楽には弱いのだ。
「ふひゃっ!?」
思わずあがった短い悲鳴と同時に、太さは無いがとにかく長い竿のようなものを突っ込まれた。出よう出ようとするミルクの出口を塞ぐようにして突き刺さったそれは、今の俺の体勢では見ようとしてもよく見えない。
「な、にぃ……っ? やだよぉぉ……へ、へんな、の、い、れない、でよぉぉうあんっ」
必死に身体を捩ってそれを見ようと心掛けるが、後孔から出た棒をシズちゃんがぐりぐりと動かすのでそれもままならない。
「ひっんぁぁあんぅぁ、そこだめぇえっ!? ぁぅ! うぅん、だめぇ、ひあっああっああ!」そうしている内に内側の一番感じる部分を刺激され目の前がチカチカと点滅し始める。
熱くて硬い中にも弾力があるペニスで刺激されるのとは全然違う。木の棒で強引に抉られる行為はまるで暴力だった。気持ちいい、と言うよりも痛い、でも気持ちいい。
「あ゛、あぅぅうううぁぁああん゛んん゛っ!?!?」
「うるせ……んだよ、ここか?」
「ぃあ゛っ!? ひぁっぁああぁんんぅ、らめぇえぇもっ、でるっでちゃうよぉひぃんんっ」
「駄目駄目うるせー奴だな手前は、おら、ココだろ? コリコリしてんな……」
「ッッ!?」
ぐりっとそこを力一杯抉られ、視界が焼き切れたように真っ白になった。貧血を起こした時のように音が遠くなり、全身がバネのようにびぃんと跳ね上がる。思考が停止して喉奥からはぅぐ、かよくわからない悲鳴のなりそこないみたいな声が出た。
それが永遠続くかと思った瞬間、ぷっつりと糸が切れたように身体の緊張が解けてく崩れ落ちる。
「あっぶね」
自分の小便で汚れた床に突っ伏してもなお不快とも感じなかった。ひくひくと全身が引き攣ったように痙攣して震えている。全身の筋肉が突然消えてしまったかのように弛緩したせいで、後孔もゆるゆるになって食らいついていた木の棒がずるずると抜けていった。
びちゃ、と跳ねた液体から逃げるようにシズちゃんが後ろに跳ねる。俺はもう何も考えられずにひいひいと細い息を漏らしながら今なおじんじんと刺激の余韻が残る後孔の存在を感じていた。
「ぁ……あ、でちゃ……」
「あ? あー……あーあ……漏らしやがって」
「ぅあ、あー……っ、あぁぅぅ……」
だらしなく弛緩した孔から、大量のミルクが流れ落ちてきた。そのさまはまるで排尿をしているかのようにあっという間に部屋に白い水たまりを作っていく。精乳技術など無い濃いミルクは、若干シズちゃんの激しい棒捌きによって撹拌され、クリームのような細かい泡状になっていた。
「このクソ蟲が」
頭を軽く蹴られ、びくん、と身体が痙攣する。屈辱的な行為なのに酷く心地よかった。
むわ、と頭の中から犯されるような香りがして、びくびくとイキかける。何事かと視線を上げると、シズちゃんが寝巻のズボンを寛げてペニスを取り出しているところだった。
「ふぁっぁぅ……うう」
じぃん……と響くような脳からの刺激に、思わず気の抜けた声が漏れる。頭上ではシズちゃんが自分のペニスを扱いていた。流石は闇医者特性の媚薬だ。シズちゃんが苦しそうに眉根を寄せる。
「……んぁ……っ!」
ぱしゃん、と熱くて独特の匂いがする白濁が俺の髪や顔を汚した。若くて生命力のあるシズちゃんの精が、外気に触れてどんどん死んでいく気配がわかった。
弱った魔力ではその微々たる精の力を吸収することも出来ず、ぐったりと横たわる。
(…………さ、いあ、く)
失敗だ。中に出してもらわないと吸収できない。ただでさえ空腹状態だった俺は、先ほどの行為で更に体力を消耗してしまいもう一ミリだって動けない。
「……あースッキリした」
さっぱりとした声でシズちゃんが呟き、ペニスをズボンの中に仕舞う。俺は名残惜しげにそれを見つめた。
「さて、どうすっかな……こいつを野放しには出来ねぇしよ……トムさん呼んでくっか」
そうだそれがいい、とくるりと踵を返し、シズちゃんはスタスタと部屋の外へ出て行く。
置いて行かれた俺は自分の体液とミルクに塗れてそんなシズちゃんの帰りをただ待っていた。