シズちゃんが再び手を振り上げた瞬間、また打たれると思って俺は思わずビクリと肩を竦ませた。が、しかし降りてきたシズちゃんの手は俺の尻を再び打つ事は無く、まるでフェイントでもかますように二つの双丘を撫でまわした。 「あぁ……っふぅうん、んぅ」 さわさわと執拗に撫でまわす手がこそばゆくてもどかしくて、つい誘うように腰がくねってしまう。堪え切れずに漏れてしまった吐息のような声が恥ずかしくて、とても悔しい。しかし、打たれた恐怖と快感で力が抜けてしまい、腰を上げてシズちゃんに俺の全てを見せるような突っ伏す体制しかできなくなっていた。羞恥で全身が熱く火照って、涙腺が緩んでぼろぼろと涙がこぼれ続ける。シズちゃんはそんな俺の姿をニヤニヤと意地の悪い笑みを顔面に張り付けてじっと見つめていた。 「……ヒクヒク言ってんなぁ……」 「ひゃひっ!? ……あ、ああ……っぅん、んぁ」 「いーざーやーくぅん……下のお口が何か食べたいってヒクヒクしてますけどぉ……?」 つつつ、と割れ目に沿って指が移動し、条件反射でヒクヒクと息づく入口に指が添えられる。 「あー……はむはむしてんなぁ……何だよ。指が食いてえのか?」 「はぁああ……そっ、れぇ……ぁあぅぅん……」 入口に添えられた指を中に取り込もうと俺の浅ましい身体が吸いつくように蠢く。 シズちゃんはそれの揶揄しながら焦らすように後孔をぐにぐにと押したり広げたりするように苛めた。 「ひぁあん……い、入れてぇ……ぇぁあぅ、ひゃああ」 「入れて欲しい?」 媚薬のせいでうっすらと情欲の含んだ鳶色の両目に見つめられ、理性が吹っ飛んでしまう。恥も外聞も無く言われるがまま必死にこくこくと頷くと、馬鹿にしたように嘲笑を浴びせられた。 「誰がやるかっつーの。馬鹿か手前は」 「やだっあぁ!いじ……い、じわ、るっぅぅ、んあぁああぁぁあぅ」 「ぐちゃぐちゃに中をかき回してくれる人なら誰でもいいんだろ?なら、俺じゃなくてなくてもいいよなぁ……?指いらねえだろ?な?」 「あっ拡げちゃ、いやぁ……ぁんん、いるよぉ……いるっらめぇ、ぅぅんあぁぁンぁっ、シズちゃ……ぁんっ欲しいぃっあっだめぇ拡げないでぇぇ!」 親指と人差し指でくぱ、くぱ、と穴を拡げるように動かされると、冷たい外気が体内に入り込んできてそれだけでざわざわと背筋に緊張が走る。そしてそこに物を入れられ慣れた身体はその次の快感を求めてヒクヒクと浅ましい蠕動運動を始めていた。 シズちゃんはそれだけではなく、性懲りも無く勃ち上がり始めていた俺のペニスや陰嚢を空いた方の手で扱く。擦られる度に頭の中が官能的な香りと刺激で真っ白になった。 快感で開いたまま閉じられない口の端からは、ひっきりなしに喘ぎ声と過剰分泌された涎がこぼれ落ちて床に水たまりを作っている。 「丸見えだなぁ?臨也君よぉ……ヤりすぎてユルユルなんじゃねえの?ここ。ここに十字架ぶっ挿しといてやろうか?内側から浄化されて手前みたいな薄汚い淫魔風情でもノミ蟲くらいの価値にはなるだろうさ。気持ちいいだろ?」 「!? やっあっ……!見ちゃ、だめぇぇ、恥ずかし……っやらあぁ」 シズちゃんの熱い息が後孔の入口にかかり、余計に羞恥心を煽る。シズちゃんも媚薬のせいで少しは興奮しているのか、いつもよりも熱を帯びた吐息が感度の上がった身体に堪えた。 「手前の身体は人を堕落させる薄汚ぇ性玩具そのものだな。神父にも媚薬盛って盛るとか害虫以下の存在だぜ。そんな臨也君にはお仕置きしないとなぁ……」 俺の身体からぱっと離れ、シズちゃんは部屋の奥に消えて行った。俺は腰が抜けて立つ事も出来ず、はあはあと荒い呼吸を繰り返しながらその後ろ姿を見送る。 「…………?」 思わず首を傾げてその様子を見守っていると、シズちゃんは瓶に入った乳白色の液体と細長い棒のようなものを持って来た。 涙でぼやけた視界ではおぼろげにしか見えないそれは太さはそれほど無いが、とにかく長い。1mはありそうな木の棒に見えた。その先端に付いているものは見えなかったが、金や銀の飾りが付いているようにも見える。 嫌な予感がして身を捩ると、俺の身体はいとも簡単にシズちゃんに組み敷かれた。 → |