『美坂家の秘め事』100

 散々弄られた乳首は熟れた果実のようになっていた。

 たっぷりと舐められて唾液で濡れ淫らな輝きを放っている。

 ちゅぽんと乳首から唇を離すと栞の顔を覆っているペンギンを拓弥が取り除いた。

 目元をうっすら赤く染めた栞が目を開けた。

 快感で潤んだ瞳で拓弥を見つめた。

「つーか…いつも慌しいよな」

 チッと舌打ちをしながらも拓弥は一気に栞のズボンと下着を引き抜いた。

「だからぁ…ムードない」

 恨めしそうな視線を拓弥に送った。

 だが拓弥は悪びれた様子もなく栞の太ももに手を掛けるとグィッと左右に開いた。

 膝を立てて大きく開かされた足の間に拓弥は腰下ろした。

「ムードがなくてもここまで濡らすくせに」

 たっぷりと蜜を湛えた泉に中指を突き入れた。

 くぷと音を立てて指を飲み込んでいくさまはまるで底なし沼のよう。

「音もする」

 突き入れられて体を仰け反らせた栞は再びペンギンを引き寄せた。

 両手でぺんぎんを抱えながら顔を埋めて声を押し殺す。

 拓弥の指が抜き差しを繰り返すたびにクチュクチュと溢れ出る蜜を掻き回す音が響いた。

 後から後から溢れ出す蜜が掻き出されて伝いシーツに染みを作り始めた。

「ぐちょぐちょだな」

 指を引き抜いて栞の愛液にまみれた指を舐めた。

 拓弥は指を二本に増やして栞の中へと戻した。

「ここか?」

 指先をクイクイと曲げて栞の感じるポイントを刺激する。

「んんっ…うっ…」

 ぬいぐるみ越しのくぐもった喘ぎ声は拓弥の耳も楽しませた。

 中に突き入れた二本の指をバラバラに動かした。

「イキたい?」

 声を押し殺すのに精一杯の栞に声を掛けた。

 快感に溺れていたが拓弥の声はしっかりと耳に届き栞は小さく何度も頷いた。

「はい、じゃあおねだり」

 拓弥は空いてる方の手でぬいぐるみを取り上げた。

 栞はイヤイヤと首を横に振った。

「おねだりしたら気持ち良くしてやってるだろ?」

 たった二回だけですっかり馴らされた体。

 栞はその言葉に抗うことが出来ずに口を開いた。


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