愛情表現 【3】

「…もう無理だよ」

「何でだよ。和美俺の事好きなんだろ?」

 免停中の彼氏を車に乗せて友達の家に送る途中珍しく言い争いになった。

「だって、智嘘ばっかりついてるじゃん」

「何がだよ!」

「この前、智の車見かけたよ。ベビーシート乗っけてたね」

「あれは姉貴の子供を乗せたんだよ!」

「免停で私に送り迎えさせてるのに?」

「ッ!今はそんな話じゃねーじゃん」

(はぁ〜っ)

 何でこんな人を好きになったんだろ。

「和美?ほんとごめん。姉貴が来てどーしても送ってくれって」

 優しく髪を撫でる

「俺がその時に言えば良かったんだよな、ごめんな?」

 優しい声を出して髪を撫でてキスをする。

 許せてしまう自分が嫌になる

 これも嘘なんだろうし…

 だって、一人暮らしって言うのに一度も連れて行ってくれない。

 お迎えは近くのコンビニの駐車場
 
 そこまでされてもこの人と一緒にいる理由は?

 それは私が寂しがり屋だから?


「なぁ、頼むよ。10万貸してくれよ」

「そんなお金あるわけないでしょ?」

「彼氏がこんなに頼んでるのにか?」

「都合のいい時だけ、呼んで?それで彼氏?」

「じゃあ、俺がどうなってもいいのかよ!」

 そんな事言われても…

「だって、普通に働いてたらそんなにお金ないし」

「じゃあ、バイトしろよ。」

「え?」

「女ならいくらでも稼ぐ方法あるだろうがっ!俺の事好きなら自分の体で稼いでこいやっ!」

何も言い返せなかった。

「じゃあ、俺行くから。あとで電話する」

 バタンッ

 車のドアが乱暴に閉まった。  

 私ここまで言われないといけないの?
 
 帰ってから涙が出たら止まらなくなった

 悲しいから?悔しいから?

 私って何?

 分かってはいたけど私は都合のいい女だった。

 どうすれば断ち切れるんだろう。
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