『-one-』
公認彼氏 P18
「…陸……もう嫌だぁ…」
オレンジ色の柔らかい光の中に白い肌が浮かび上がる。
一人掛けのソファに腰掛ける麻衣は弱々しく首を左右に振りながら泣きそうな声を上げていた。
「ねぇ…何するのぉ?」
「お仕置きするって言ったでしょ?」
鼻を啜りながら泣き言を言う麻衣に向かってにっこり微笑んで見せた。
二人掛けのソファにゆったりと凭れながら1M先にいる麻衣の姿を瞬きをするのも忘れて魅入っていた。
―綺麗だ。
言葉にするのも忘れてしまうほど綺麗な体は眺めているだけで体を熱くさせた。
ゆっくりと足を組み替えると股間が窮屈になっているのが分かる。
「こんなの嫌だぁ…」
「お仕置きなんだよ。麻衣が悦ぶような事してあげないよ」
目尻に涙を浮かべた麻衣の肌はほんのりと色付き始めていた。
「恥ずかしいの?」
「当たり前でしょぉ。もう解いてぇ…」
「もう少し…ね」
こういう趣味はなかったけれど恥ずかしがる麻衣の姿を見られるなら悪くないなと改めて思った。
きっと男の中には大なり小なり好きな女の泣き顔や困った顔を見てみたいという欲望があるのだろう、もちろん自分の手によってというの大前提はある。
今まさにその状態だった。
嫌だと言って拒む度に口実の「お仕置き」を振りかざし裸にした麻衣の腕をネクタイで後ろ手に縛った。
それからソファに座らせると足を大きく開かせ肘掛に足を掛けさせた。
恥ずかしい場所を隠すことも出来ずにすべてを俺に晒している。
明るい場所で姿を見せる事も一緒に風呂に入る事も恥ずかしがる麻衣には耐え難い事だろうな。
こんな可愛い麻衣を他の男の目に触れさせて堪るか。
昔からあまり物事に執着する事はなかったけれど麻衣だけは違う。
今日の事だってたとえ嘘だと誤魔化す為だと分かっていてもそれでも麻衣本人の口からは聞きたくなかった。
それよりも…。
前々から気になっていた事が決定的になった事の方がショックだった。
(麻衣のばーーか…)
「ねぇ……あんまり見ちゃ嫌だ…」
震える声でハッとした。
ぼんやりと考え事している間も麻衣は俺の視線に耐えていたらしい。
(ま…理由はなんであれこんな機会は滅多にないしね)
麻衣の気持ちが自分以外にいく事はないと自信はある、たとえ揺れ動いても引き戻せる自信だってある。
そう…だから麻衣にエッチなお仕置きをする絶好のチャンスを逃してたまるか。
(ま…腹が立ったのは事実だけどね)
縋るような麻衣の視線にニンマリしながらようやく立ち上がった。
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