「お祝いするぞ。ドンペリ持って来い！」

　すぐにドンペリが運ばれて来た。

　狭い部屋には二人を囲むようにホスト達が立った。

　男ばかりのシャンパンコール。

「野郎ばっかじゃ色気ねぇな…」

　その言葉に全員が頷いた…。

「オーナー、新しいホストですか？」

　全員が俺の事をジッと見ている。

　そりゃホスト以外に見えないよな…。

「いや、麻衣の旦那になる奴だよ」

　驚いた顔で全員が俺を見た。

「だってどーみてもホストじゃないですか！」

　だって…俺ホストだし。

　一人が納得いかない顔で叫んだ。

　こいつもしかたらて麻衣の事が好きなのかもしれない。

　俺はさりげなく顔をチェックした。

「現役のホストだよ。いい男だろ？」

「くっそー！絶対麻衣ちゃんはホストとは付き合わないと思ってたのに！」

　悔しがるその顔に思わず嬉しくなった。

　あれ程ホストを避けてた麻衣がホストの俺を選んだんだ。

　自信を持っていいよな！

「俺もまさかホストと結婚するとは思わなかったよ」

　お、お義父さんまで…。

　許してもらえたはずなのにと少しがっくりしていると俺の肩に手を回した。

「でも良かったよ…俺の跡継ぎが出来たからな」

「え…？」

「花屋もいーけど、どれをやりたいか考えておけよ？」

　えーーーーっ！？

　もしかしたら俺の人生はもう決まったのかもしれない…。

end