『-one-』

カリスマホスト!? P1


 俺は憧れの人を追いかけてようやくここまで来た。

 『CLUB ONE』のNo.2ホスト…いやオーナーの誠さんは別と考えればホストの中では誰もが認めるNo.1ホスト。

 彼の名前は『陸』。

 クールで男気があってどんな女性も虜にしてオーナーから絶大な信頼を置かれ後輩からも慕われている。

 21歳にしてこの界隈でも五本の指に入るカリスマホスト。

 そしてカリスマと呼ばれる大きな理由に私生活が全く謎という事もあった。

 そんな憧れの人と今日から一緒に働く事が出来る。

 俺もいつかあんなすげぇ男になってやるんだ。


「今日から入る新人の和哉な。よろしく頼むぞ」

 オーナーから紹介されて挨拶をして店の中を見渡した。

 どこの店よりも小さな店だけれどホストの質はどこにも負けてないよな。

 だけど…やっぱりあの人には誰も敵わないな。

 一番隅のボックス席に足を組んで座っている姿は男の俺が見たって何故かドキドキする。

「じゃあ、今日も一日頼むぞ」

 ミーティングが終わりゾロゾロと席を立つとオーナーは陸さんのいるボックス席まで連れて行った。

「陸、悠斗。暫くは面倒みてやってくれ」

「うぃーっす。俺は悠斗、陸さんのヘルプだから宜しくな」

 人懐っこそうな笑顔を向けられて緊張が少し和らいだ。

 陸さんが携帯を触っていた手を止めて顔を上げた。

「分からない事があったら何でも聞けよ」

 初めてこんな近くで顔を見て話し掛けられてびっくりした。

 カリスマって言われる理由が分かった気がする。

 他の奴とオーラが全然違う。

「よ、よろしくお願いしますっ!」

「まぁ…そんな緊張するなよな」

 立ち上がって俺の肩を叩くとオーナーと二人で奥へ歩いて行った。

 立ち振る舞い、話し方、全てが格好いい…本当にすげぇ。

 俺は憧れの人と初めて対面してこれ以上ないくらい興奮していた。

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