『拍手小説』
ぱ3-1
なぁ…。
まだ怒ってんのかよ。
ったく全然飲んでねーじゃん。
バカ…ぬるくなった酒なんて飲むなよ。
ほら、よこせよ。
なに?じゃねぇよ。
グラス。
これはお前待たせた代わりに俺が飲むから。
だからさ…そんな怒るなよ。
忙しいんだから仕方がないだろ。
ハァ…。
お前さ…そんなに気に入らないなら帰れば?
俺は他のテーブルにいる時だって何とか時間作ってやりたいと思ってんのにそんな顔見たかったわけじゃねぇよ。
…ごめん。
忙しいのにうまく回らないからイライラしててお前にあたってた。
お前はずっと待っててくれたのにな。
帰れなんてほんとは思ってねぇから。
お前って優しいからつい気が緩むみたいでさ。
な…ちょっと肩貸して
動くな…ジッとしてろよ。
俺の頭いっぱい詰まってるから重いだろ。
軽いとか言うなよ。
ちょっとだけ休憩させて
お前さ誰かに癒し系って言われたことない?
おかしいな。
癒されてんのって俺だけなのかな。
じゃあ俺だけの専属な?
こうやってるとすげぇホッとするんだ。
だからもう怒った顔するな。
お前の笑顔を見せてくれたら疲れなんて吹っ飛ぶに決まってんだろ?
―11―
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