『君の隣』
 第三章 P21


「ごめんね。今日は余裕がない…」

 小さく呟いたその言葉通りに貴俊は性急に腰を打ちつけている。

 最初からの激しい突き上げに祐二は堪らずシーツを引っ張って噛んだ。

 そうしていないとあられもない嬌声を上げてしまう。

「んぅっ…ふっ…ぅ…」

 シーツを噛んでいる隙間から祐二の喘ぎ声が漏れる。

 そのくぐもった声すらも貴俊の欲情を煽るには十分な材料だった。

 もうこれ以上は大きくならないだろうと思っていた貴俊のモノは祐二の中で膨らんだ。

「あぁぁ…」

 体の中を広げられるような感覚に祐二は情けない声を上げた。

 貴俊は体を折って祐二に重なると小さく尖っている乳首を指で転がした。

 キュゥッと締め付けられるのに負けじと腰を動かす。

「祐二…すごい気持ちいい…」

「お…お、おれも…ぃぃ…っ」

 耳元で囁かれる掠れる声に祐二は背筋に甘い痺れが走るのを感じた。

 顔の横に付いた貴俊の手を握りながら精一杯声を殺して告白する姿はあまりにも可愛らしい。

「ワザとやってるならとんだ小悪魔だよ」

「え…えっ、やっ…」

 貴俊は祐二の脇に手を通すとそのまま体を起こした。

 二人は体を繋げたままベッドの上で膝立ちになる。

 身長差があるせいか今までよりも奥深くまで入り込んでくる貴俊に祐二は声を上げた。

「祐二…声」

(無理だよォ)

 祐二は首をブンブン振りながら否定した。

「仕方が無いな…」

 貴俊は右手で祐二の口を覆った、左手は乳首を爪でカリカリと引っ掻いている。

 そして奥深く打ち込まれた貴俊のモノがグチュグチュと祐二の体内を犯した。

 膝だけの不安定な体勢のはずなのに全然ぐらつかないのは貴俊の腕とアソコでしっかりと繋がれているからだと気が付いた時には祐二は脳の奥まで蕩けきっていた。

「ふぅ…ぅ…んっ」

 甘い鼻息を漏らしながら快感に体を反らせる。

 貴俊は祐二の背中に吸い付いていくつもキスマークを残した。

「気持ち良さそうだね。こうやってされるのが気に入ったの?」

 貴俊の動きに合わせて腰を振る祐二に声を掛ける。

「うぅぅっ!」

 大声を出して否定しようとする祐二の口に貴俊は指を突っ込んだ。

 祐二は貴俊の指に阻まれて声を出すことが出来ない。

 それどころかその指は下とまるで同じように動いた。


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