意地悪な恋

 こんなの恥ずかしいのに……。

 本気になれば和真の手はきっと振り切れるはずなのに、そうしないのは和真の手によって慣らされた身体がもっと強い快感を求めているから。

「あ……つい」

「ほらみろ。風邪を引く心配なんかいらないだろ。お前の身体はすぐに熱くなる、特に……中は熱くてドロドロだ。分かるだろ?」

「ああ……っ」

「ココを弄ってやるともっといい声で鳴けるよな」

「あ……ああっん! んーーぅっ」

「声を噛むな」

 私も知らなかった秘密の場所を指先で探り当てられ、電撃のようなビリビリとした快感に身体が仰け反った。

 蕩け始めた意識に半分理性が残っているこの時が一番恥ずかしい。

 いっそのこと嵐のように激しく一気に奪われたい。

 空いている手を和真へと伸ばす。

「和真ぁ」

 意識しているわけじゃないのに、自分の声が思っていた以上に甘ったるい。

「どうした?」

 低く艶のある声にまた少し理性の輪郭がぼやけて、素直な自分が私の唇を動かした。

「ちゃんと……したい」

「何をだ?」

「ちゃんと抱いて……欲しい」

 今すぐ息も出来ないほど激しく抱いて欲しい、自分が誰の物かということを身体に刻んで欲しくてたまらない。

 和真がフッと笑うと、身体の中から指を引き抜いてそのまま私の身体をベッドに縫いつけた。

「本当にお前は可愛い奴だな」

 覆い被さった和真が濡れた指先で私の唇をなぞり、淫らに濡れた唇を味わうように和真の舌が唇の上を往復する。

「んぅっ」

 薄く開いた唇、自分から積極的に伸ばせない舌を早く捕まえて欲しいのに、和真の唇が遠ざかっていく。

「かのこ、俺をもっと欲しがれ」

「……し、い」

「そんなもんか?」

 これ以上和真が離れてしまわないように、私は精一杯手を伸ばして和真の首にしがみついた。

「たくさん、欲しいの。和真でいっぱいにして欲しい」

 今度は自分から唇を開き舌を伸ばしてキスをせがむと、和真の腕が私の背中を抱き寄せててくれた。

「最高のプレゼントだな」

 色んな最高級を身に着けている和真が言うその言葉が私にとって最高のプレゼント。

end

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