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 ダイヤモンドダストが勝手に雷門と試合をしているらしく俺はバーンを連れてその試合を見に行った
 ナマエがFWとして試合に出ていて思わず目を見張った、シュートを決めるナマエも可愛いね、と漏らせばバーンに黙れシスコンと罵られた

 ガゼルを見やればナマエが気になっているのか全然試合に集中できていない、これは由々しき事態だ
 しばらく試合は続き点差が同じになったところで試合を中止させるべく動く

「そこまでだよガゼル」
「っ!」

 試合を中断させバーンと共にグラウンドに下りれば両チームとも目を丸くして、俺たちを見つめる、特にガゼルは試合を中断させたれたからか眉間にしわを増やしてあからさまに睨んでいる

「ヒロト!」
「ひ、ろと……?」

 真っ先に円堂くんが俺の名前を叫んでそれに反応したナマエも俺の名前を呟いた
 俺を見詰めるナマエに近づいて首筋に手刀を落とせばナマエの身体から力が抜け、ぐったりと俺にもたれこんだ
 手刀って本当に利くんだね、でもやり方を間違えたら大変なことになっちゃうので良い子は真似しないでね

「ナマエは頂いていくよ」
「ナマエ! どうしてなんだヒロト!」

 ぐったりとしているナマエを抱き上げれば円堂くんが声を荒げる
 吹雪くんといったかな、彼はただ呆然と俺の腕の中で眠るナマエを見ているだけ
 彼はどうも好きになれないよ、姉さんにべたべたとくっ付いて腹立たしい

 なぜ連れて行くかという質問には答えてあげよう、そんなの簡単さ

「実の姉を連れて行って何が悪いんだい?」
「!?」

 雷門の声にならない声が聞こえる、目を丸くし驚きを隠せない様子は実に滑稽
 中には姉さんを宇宙人だと疑っている奴もいるみたいだ、姉さんを信用していない人間のいるところに姉さんをいさせる訳にはいかない

「それにあのお方がナマエを必要としている」

 父さんのために姉さんを、ナマエを連れて帰らなければならない、姉さんは俺たちと一緒にいることが幸せなんだよ
 グラン行くぞ、バーンに急かされてガゼルたちの前に置かれた移動用のボールの前まで歩いていく
 ん、と腕の中で寝ていた姉さんがうっすらと目を開けた、手加減しちゃったかな
 状況を把握出来ていない姉さんは首を動かし吹雪くんを見つけて口を開いた

「士郎、大丈夫だから、心配、しないで……」

 力無く呟いた言葉は吹雪くんに伝わったのか、彼は大きく目を開いて姉さんの名前を呼んだ
 姉さんの口から他の男の名前なんて聞きたくない、姉さんは俺の姉さんなんだ、俺だけを見てよ



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