「ってぇ……」 某所。アジトへと戻ってきた死柄木と黒霧はそれぞれ撃たれた個所と刺された個所から血を流しながら床に寝そべった。モニター越しに“先生”と呼ばれる人物へ、オールマイトが弱っているという情報に対する信憑性を問う旨をぶつける死柄木に、情報は正しいが見通しが甘かったとこぼす“先生”。 「あいつ……あの女もそうだけどあいつ……クソッ、あいつらがいなければ……」 『“あいつら”?』 今回の敗因ともいえる二人の存在を思い返し忌々し気に舌打ちをこぼす死柄木に、“先生”は興味が沸いたようだ。止血を終えた黒霧が死柄木の代わりに説明する。 脳無と戦っていた少女にも言えることだったがあの少年も戦闘慣れしすぎている。単純火力、瞬発力、判断力、全てに於いて他の生徒はと雲泥の差があった。プロヒーローを志している雄英生とはいえ、ついこの間まで中学生だったと者とは思えない。 そして何より警察すら知り得ていない情報、死柄木弔の本名をどうしてか知っていた。 “個性”はあの刀だろうか。しかし崩したはずの外套が元に戻っていたのも不可解だ。汎用性の高い“個性”なのか。 それでいて実力の半分も出していなかった。こちらの実力不足が否めないとはいえ完全に弄ばれていた。 兎に角あの少年は危険過ぎる。 『確かにその二人は気になるね……黒霧、調べておいてくれるかい』 「ええ、勿論」 [17.5]リベンジに燃ゆ prev back next |