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▼ちび涼野04

 とりあえずこんな体になってしまった経緯と原因が不明であると説明したが名前は終始笑顔を絶やさなかった、大事な恋人が縮んでしまったのに笑顔とはどういう了見だ

「だってちっちゃい風介が可愛くて」
「園に戻れない上、学校にも行けないのだぞ」
「だったらずっとうちにいなよ、風介と一緒にいたい」
「どうにかして元に戻る方法を……っ!」

 探さなければいけないな、そう続くはずだった言葉は名前の表情を見ればのどの奥へと戻っていった、恋人の切なげな顔を見せられて平然としていられる奴は阿呆でしかない
 わたしみたいに身寄りがない子供でも園に戻れば家族がいるのに対し名前は常に独りだった
 家族がいても一緒にいなければ意味なぞ成さない、そういった意味で名前は孤独なのだ、わたしが泊まる日もあるが毎日ではない
 一人の夜を過ごしているのだと考えると胸が締め付けられた、これ以上名前の悲しい顔は見たくない

 もしわたしがこのまま元のサイズに戻れなければ名前の家に世話になるのだろうか
 それも良いかもしれないがやはりそうなるとこの体では色々と不便だ、色々と

「やはり元の体でないと……」
「あ、だったら元に戻るまでうちにいなよ!」
「そうだな、元々そのつもりでここに向かっていた訳だし」
「わーい、じゃさっそく一緒にお風呂入ろ」
「っ、ひ、一人で入れるからいい!」
「照れちゃって可愛いなあ、今更なのに」

 名前の言うとおりわたしたちは幾度と無く体を重ねてきてはいるがそれとこれとは話が別である
 わたしも自分の体を色々と確認していない故この状態で見られでもしたらわたしの男としての自信が崩れ落ちるだろう

「と、とにかく、今日は一人で入る」
「はいはい、じゃ先に浴びてくるね」
「ああ」


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