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▼オリオンになぞられて04

・ジェイク編

『そうですわね、オリオンスターを差し出しなさい』

 彼女に能力を使われてしまえばぬいぐるみを動かしている仕組みやアジトの場所を特定されてしまうのも時間の問題。
 それを考慮した上での作戦、緻密に練り上げられているらしい。

『何でしたら彼女を殺して見せましょうか?』

 痛みに意識が遠のいてゆく。



「それと、これ、返すぜ」

 どさりと置かれたのは拘束されているオリオンスターだった。

 すぐさま病院へと運ばれた彼女は精密検査を受けたが足に怪我を負った以外は無事だった。



・ジェイク戦

『三番目は……“ヒーロー補佐”オリオンスター。何だよ補佐って、ヒーローじゃねぇのかよ』
『あら、そのカードを入れたのはジェイク様じゃないですか』
『そうだっけ? まぁいいや、とっとと来いよ』

「オリオンスターに戦闘は無理だ!」
「それに足を怪我してるのよ!?」

「行きます! 私だって……ヒーローなんだから!」

 モニター越しに彼女を見守るしかないヒーローズと、シュテルンビルト市民。

『昨日ぶりだなぁ。手負いのウサギちゃんをいたぶるってのは嫌いじゃねぇんだよなぁ』
『……!』
『おっ、さっそくやるか?』
『……』
『ふーん、なるほどな』

 ジェイクの言葉を皮切りに2人は対峙したまま動かず、何も喋らない。
 敵は目の前にいるというのに彼女の体は青く輝いていおり、能力を使っていることが分かる。

 一体、何を見ているというのか。

(対峙している名前とジェイク)

『ジェイク様どうなされましたのかしら? ヒーロー補佐と見つめ合ったまま動きませんわ……まさか浮気ですの!?』

 クリームの実況にジェイクは口角を上げる。

『ばーか、俺が浮気するわけねぇーだろぉ? 確かに乳はでけぇがタイプじゃねぇしぃ〜』
『っ!』

 カメラがオリオンスターの胸にズームするが彼女が動いたことにより直ぐに倍率はリセットされる。

 心の中を見ることによりバリアーで作られたビームを避けれていたのだが、それも最初の数発のみ。如何せん戦闘における経験値が少なすぎる。
 一分もしない内にオリオンスターはジェイクの足元に倒れてしまう。

『ヒーロー補佐は健闘しましたがやっぱりジェイク様には適いませんでしたわ! さっすがジェイク様!』

『よっしゃ、このままサービスショットといくか?』

 既に意識のないオリオンスターの腕を掴んで持ち上げると、豊満な胸を支えているビキニの紐を引っ張った。
 自分たちの命が賭かっているというのに市民の半分は下心を燃やし画面に注目する。

 バーナビーもまた別の意味で画面を睨みつけている。

「あいつ名前を何だと……!」
「バニー落ち着け!」

 今にも飛んで行かん勢いのバーナビーを抑えてはいるが自分もまた飛んで行きたいのを我慢している虎徹。
 画面の向こう側ではジェイクの指の動きに合わせてたゆむ胸。

『さぁて、この紐切ろうかなぁ〜』
『ジェイク様! そんな女どうでもよろしいじゃありませんの?』
『ん〜? ヤキモチ妬いてんのか〜?』
『わたくしはそんな……! そ、そんなことより早く次のカードを引いてくださいまし!』
『おーっと、そうだった! つー訳でこいつは……』

 オリオンスターはジェイクに飛ばされ、アポロンメディアの屋上にあるライオン像の上に横たえられる。


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