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▼第n回おやすみラジオ

「ラジオネーム『イケメン吸血鬼』さん。如何にも中二臭いネーミングですね。嫌いではないですけど。『ナマエさん聞いてください、僕の幼馴染みが失踪してました』……結構深刻ですね」

「『その幼馴染みとは幼稚園の頃から一緒にいて、高校は別々になってしまったのだけど、そもそも高校だって同じ所に行く予定だったのに僕に内緒でそいつは違う高校を受験していて、滑り止めの私立ですら違う所ってありえないじゃないですか。酷いと思いませんか!? とまぁそれは置いておいて、仕方なく別々の高校に進学したのですが、それでも三日に一日くらいの頻度でメールや電話のやりとりをするくらい仲が良いと自負していたのにここ数週間連絡がパタリと途絶えてしまったんです。メールを送ってもデーモンなる悪魔からの返信しか来ないし電話は現在使われておりませんの一点張り。挙句の果てにそいつの実家に行ってみたらそこは売り物件になっていて手掛かりすら無い始末。これらはどういう意図なのでしょう。考えたくはないのですが僕は嫌われてしまったのでしょうか』」

「……もしかしたらイケメン吸血鬼さんには恋人がいたりするんじゃないですか? もしくは最近できたことをその幼馴染みさんに知らせていたり……。イケメンって自称するくらいですから彼女の一人や二人いてもおかしくはないでしょう、という前提で話を進めますが兎に角その幼馴染みさんは貴方の恋人に遠慮して姿を晦ましたんです……よ、きっと。自分の恋人が幼馴染みに三日に一度のペースで連絡をしていると知れば良い顔はしないでしょうし、それに気づいた幼馴染みさんが気を使った結果だと思います」

「それが彼女なりのケジメのつもりなのでしょう。一切の連絡を断つことが結果的にイケメン吸血鬼さんを困らせると分かっていてもそうせざるを得なかったのでしょう」


「……あ、イケメン吸血鬼さんが男で幼馴染みさんが女という体で話してしまいましたね。もしかしたら両方男性の可能性だってあるのに、私としたことが……失礼しました」


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