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▼物間の幼馴染みはえろい05

没ネタ

・名前を敵連合に引き込もうと物間に痛いことする(R18G)
※ボツネタ
※グロ注意




「あ゛あ゛あ゛あ゛ああああ!!!!」
「寧人!!」

「このままだと彼の手、使い物にならなくなるよ」
「や、めて……お願いだからやめて……!」

「名前っ、だめだ! 僕のことはいいから、にげろっ!」
「……お前は黙ってろよ」
「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

 ダンッ、と鉈が木製のテーブルに突き刺さると同時に物間の呻き声が響く。
 男が振り下ろした鉈はテーブルに届く寸前に彼の小指を斬り離していたのだ。

 勢い良く吹き出た血液が名前の顔にかかって、彼女はようやく目の前で起きたことを理解できた。

「っ……!」

 最早言葉は出なかった。激しい痛みに苦しみ悶える彼の姿に、見開いた眼から涙を溢れさせ体を小刻みに震わせながら声にならない声を上げるのが精一杯だった。
 額に脂汗を滲ませ、名前をこれ以上不安にさせないためになるべく声を上げないよう唇を噛みしめる物間。今すぐにでも駆け寄って治療したいのに、名前の手足を縛りつける拘束具がそれを許さない。

「ね、いと……!!」

 ようやく絞り出した声はか細く、それでも物間の耳には届いていた。どくどくと止めどなく血液が流れていくせいで白くなっていく顔で、名前をこれ以上心配させまいと僅かに笑みを浮かべる。

「ほら、凄く痛そうだよ。でも君の“個性”なら治せるだろ?」
「ね、いと……」

 拘束具を外されても思うように力が入らず這うようにして彼に近づく。が、直ぐに阻まれる。

「君が一言に“敵連合に入る”って言えば彼を治療させてあげるのに」
「名前っ、言うなっ……にげろ……!」
「ほら、早く言わないと次の指にいくけど?」

 血の滴る鉈を持ち上げて切れ味の良い刃渡りを見せつけてやれば、名前はあっさりと折れた。

「……入ります」
「よく聞こえないなぁ?」
「っ、敵連合に入ります! だから、寧人を離して!」
「ん、いい子だ」

 男の手が名前の頭を撫でるが、その感触は物間の安心するそれとは全く違う。不快でしかなかった。

「じゃ、証拠VTR撮るから。治療はその後な」
「ちょっと、その前にその子と顔拭いてあげなさいよ。血まみれの顔じゃ流石にまずいわ」
「チッ、めんどくせぇな……」

 男がその辺にあった布で乱暴に名前の顔を拭うも完全には綺麗にならず、再び舌打ちをしその状態のままカメラを向ける。

「あ、何かAVの撮影してるみたいで良いなこれ」
「馬鹿言ってないでさっさとしなさいよ」
「へいへい……じゃあさっきのセリフを……そうだな、笑顔で言えよ。その方が絶望感増すだろ」

 物間さえ助けられるのであれば他のことなぞもうどうでも良かった。
 指示通り、ぎこちなくも今出来得る精一杯の笑顔を貼り付け先程と同じセリフを言う。取り直しはしなかった。

「……はいオッケー」

「寧人!!」

 切り落とされた指を拾い元あった場所へくっつけるとそこをひたすら撫でていく。治療とはいえ切り口を撫でられるのは流石に痛みが伴い、撫でるリズムに合わせて物間は小さく呻く。
 名前の“個性”により細胞が再生され、骨同士をくっつけ、切り離された神経を繋ぎ合わせてゆく。体内のタンパク質が消費されていくのが分かった。

「……ごめん名前。守れなくてごめん……」
「ううん、謝らないで。寧人はいつも私を守ってくれてるよ」

 皮膚の再生も終わり、物間の指は斬られていたことを微塵に感じさせないほど元通りに治った。
 しかし彼女が敵連合に入ると言った事実は取り返せない。

「よーし。これを焼き増しして雄英に送りつけて、ネットにもアップすれば雄英の信用ガタ落ちだ」
「ほんと、あんたは悪趣味なことを思いつくわね」
「そりゃあ“敵(ヴィラン)”だからな」


(完全にバッドエンド一直線のため没)


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