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▼幸村双子は死神04

 案内された室内はまさに引っ越してきたばっかりといった感じで、必要最低限のもんしか入っていないことが予想される段ボール箱が数個部屋ん隅に置いてあった
 家具類はちゃんと運んであって、白を基調としたシンプルなテーブルを挟んで向かい合って座る

「単刀直入に言うわ、ここでは幸村と名乗りたくないので財前の姓を名乗らせて頂くわ」
「えっ」
「これは決定事項よ」
「拒否権はないっちゅーことっすか、わかりましたわ」

 それから俺は現在の四天宝寺の状態を説明した、早川んことや部長やテニス部のこと、全てを話した
 名前さんは俺の説明を終始眉間にしわ寄せて聞いとった、まぁいい話ではないしな、それからしばらく何かを考えてから眉間のしわをとって口角を上げる
 ぞくり、その笑みに俺は背筋が冷たくなるのを感じた、この人怖いわ

「……わかったわ、もののついでにその女の化けの皮を剥いであげる」
「まじっすか」
「ええ、楽しみね、その女がどんな顔で懇願するのか」
「こわ……」
「何か言った?」
「何でもないです」

 あまり長居もしてられんのでひとまずおいとましようとしたら名前さんが何かに気付いたらしく俺を引き止めた
 名前さん曰わく虚の気配を感じたらしいが伝令機に反応はないので半ば信じられんかった、だが名前さんが義魂丸を飲み込んだと同時に伝令機が音を立てる
 まじかよ、と伝令機を見やれば四天宝寺高校付近に虚出現を示しており俺も慌てて義魂丸を飲み込んだ

「光、行くわよ」
「りょーかい」


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