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▼二人きりは勿論NGですけどね

 上鳴電気は彼女の大ファンであり、寧ろファンだからこそ恐れ多くて近寄れないかもしれないと前夜に悶々としていた。が、教室の扉を開けて実際に彼女を目にした時には
 こんな塩らしい輿水名前を見るのは初めてだった。


「すみません、この後はライブの打ち合わせが入っているので無理ですね」
「で、ですよねー」
「明後日の放課後なら予定は無いので大丈夫ですよ。二人きりは勿論NGですけどね」

「……しゃあっ!!」



・委員長決め回

「オールマイトか輿水名前について何か一言でも!」
「オールマイトに直接お話伺いたいのですが!」
「我々は輿水名前にインタビューをしたいんですが!」
「名前さんに直接お話を!!」

 オールマイトと輿水名前。この二人が雄英高校の関係者となったことにより連日正門にはマスコミが押し寄せ、どちらでも良いからその姿をカメラにおさめようと躍起になっていた。
 ちょうどこの日オールマイトは非番で、名前も生放送の仕事が入っており学校に来るのは午後からとなっている。そんなことも知らず朝早くからマスコミは殺到し、登校してきたA組の生徒も例外なくインタビューを受けていた。

「オールマイトは、筋骨隆々? 名前ちゃんはすっごく可愛い!」

 各々オールマイトと名前に対する感想を答えていく。



 アイドル活動においてユニットを組んでも進んでリーダーシップを発揮する名前が手を挙げていない現状は些か不思議であった。

「名前ちゃんは委員長やらへんの?」
「ええ、ボクは何かと忙しい身ですから。委員長の役職は他の方に譲ります」

 名前の回答に麗日は納得する。確かにそうだ。
 アイドルとヒーロー科の両立は只でさえ難しいというのにこれ以上重責を担うのは流石の輿水名前でも体が保たない。



 自身が他の生徒と共に食堂で昼食を摂れば場がパニックになるであろうことは容易に想像がつくと、名前は栄養面にも気を使った特製の弁当を持参している。




「マスコミのみなさん! そんなに話が聞きたければボクが直接お話して差し上げましょう!!」

 ふふーん。とメディア用のスマイルを浮かべた名前が相澤と山田を守るようにマスコミとの間に入る。
 それによりマスコミの気は名前へ向き、相澤たちは解放される。
 流石にマスコミへの対処の仕方が手慣れてる。


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