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▼I want to be with you.

 教卓に置かれた席表を確認すれば焦凍は窓側から二列目の一番後ろで、私は窓側の一番前。
 苗字が同じだから席も当然近いものと思っていたのに、残念。

「焦凍と離れちゃうね」
「……」

 そう言うと焦凍は何を思ったのか一つだけ後ろに突出していた窓際最後列の机と椅子をそのまま横に移動させると何食わぬ顔でその席に座ってしまった。
 元々そういう席順であったかのような自然さに一瞬固まってしまい、焦凍にも首を傾げられる。

「ん、どうした?」
「いやいやいや、どうした? じゃないって! それ良いの!?」
「……大丈夫だろ」

 幸い窓側の席の生徒はまだ登校していないので席順が変わったことに気付かれないが担任が来たら確実に注意される。


・体力テスト

 私の場合、個性が身体機能に直結していたので使用そのものを制限することが出来ず、小学校での初めての体力テストはとんでもない記録を出してしまった。
 それからは必然的に小・中学校での体力テストは手を抜かざるを得なかった。
 常に平均を見極めその程度まで落としていたのだが、ここではそんなことしなくても良いのだと知る。

 五十メートル走。“白虎”の瞬発力と脚力を持ってすれば容易い。


 小さい頃に読んだお伽話の影響で同じ場所をぐるぐる回るのが苦手だ。

「! 名前どうした、どっか具合でも……」
「バターになっちゃう……!」

 周りにいたクラスメイトたちも失笑し始めたので恥ずかしさから顔が熱くなる。


・お昼ご飯

「美味いか」
「えっ、何で分かるの?」
「尻尾」

 そう言って箸で私の尻尾を指す。行儀悪いよと注意しながら首をひねれば、私の尻尾はぴんと立っていた。
 確かにランチラッシュの昼食は美味しかったがここまで露骨に喜んでいるのがバレてしまっては何だか恥ずかしさが込み上げてくる。


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