飛行機雲を指差す
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少し寒いと感じる夕方。

太陽の日は照っているのに
季節としては冬。

寒くないわけがない。

マイから
誕生日プレゼントとしてもらったマフラーを
首に巻いて散歩をしていた。


隣にはマイ。

マイの歩幅を気にしながら
ゆっくりと歩く事も
今では無意識にできるようになった。


今日、私たちが
散歩をしているこの場所は
お互いの家から少し離れたところにある。

二人でこの辺を散歩するのは
久しぶりだ。


いつもと違う道を散歩しているからと言って
これと言って重大な話をするわけでもない。

まさに「のんびり」と言う言葉が
今の私たちには最適だろう。


ケント「わざわざ家から離れたところを
こうして歩くのも、いいものだな。」

『ふふっ、そうですね。』


顔を見合わせて
にっこりとほほ笑み合う。


『あ、ケントさん、見てください。』


突然何かを発見して
上を向きながら言うマイ。


ケント「何か見えるのか?」

『ほら、あれですよ。』


飛行機雲を指差す


ケント「ほう、飛行機雲か。」

『綺麗ですね。』


以前は無駄とさえ思えていた
こんな何気ない瞬間が
マイと一緒なら楽しいと思う。


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