無意識に発した本音
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今日はマイが
俺の家に来るという約束をしていた。

時間を確認して
俺は待ち合わせ場所の公園まで迎えに行った。


『おまたせー。』


俺より数分遅く来たマイはそう言って
小走りをしながら近寄ってきた。


シン「行くか。」


そう言ってマイに手を差し出す。


『うん!』


手をつなげる事が嬉しいのだろう。

マイは俺の手を握った。


すると俺の携帯に電話が入った。


『電話出ていいよ。
もしかしたら急ぎかもしれないよ。』


俺は「ありがと」と言って電話に出る。

電話相手は
高校の時のクラスメイトの男だった。


男「なあ、今から合コンあるけど
来てくれよ。」

シン「あ?無理。」

男「即答かよ…。
お前の事、気になるって言う女の子が
いるらしいんだよ。
ちなみに、すっげー可愛いってさ。」

シン「いや俺、彼女いるから。
それにあいつ可愛いし。」

男「そうだよなー…。
わかった、じゃあまたな。」

シン「じゃ。」


そう言って電話を切った。

携帯をしまいながらマイの方を見ると
なぜかニヤニヤしていた。


シン「どうかした?」

『ふふー
シンが可愛いって言ってくれてた。』

シン「は?」


可愛い…、そう言えば言ったな。

電話中、隣にマイがいた事忘れてた。


『シン、もう一回言ってよ。』

シン「嫌。」

『じゃあ、私って可愛くないかな…?
シン、私には言ってくれないし…。』

シン「は?
…か、可愛いに決まってる…だろ。」


目をそらしながらそう言うと
マイは納得したように
繋いでいた手を、さらに強く握ってきた。


無意識に発した本音


『シン、照れてるー?』

シン「うるさい。」


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