魔法のような奇跡のような僕は幸せだな。
僕はリビングから、キッチンで夕飯を作っている
マイを見つめながらそう思った。
僕は流れ星に「女の子にもてたい」と言う願い事をしてから
なぜか目があった女性を虜にする力を得てしまった。
しかし唯一その力が効かない女性が現れた。
それがマイだった。
初めは、どうして効かないんだ
効いてほしいのに…そう思っていた。
でも今ではそんなことは全く思わない。
だって目の力の恋は所詮偽物で
僕から離れると夢のように消える。
『イッキさん
付け合わせはサラダでいいですか?』
イッキ「うん。
マイが作るものだったら何でも嬉しいよ。」
『わ、わかりましたっ!』
…でも、なにより
効かなくてよかったと思えるのは
目の力が無くても、マイはこうして
僕のそばにいてくれているからだ。
僕はキッチンにいるマイの方へ近づき
後ろからマイを抱きしめた。
魔法のような奇跡のような『イッキさん、どうかしましたか?
あ、もしかしてサラダ嫌でした?』
イッキ「ううん。
ただ、マイを抱きしめたかったの。」
『そ、そうですかっ…。』
イッキ「ふふっ、真っ赤だね。」
『言わないでくださいっ…。』
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