二人、同じ事を思う
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ケント「もう三月だと言うのに
まだまだ寒いな。」


研究室に来ていたマイと私は
並んで歩きながら帰宅していた。

三月と言うと暦では春だが
今日の気温はまだ冬のようだった。


『そうですね。』


マイは白い息を吐きながら相槌を打つ。

私も「寒いのは嫌だな」と呟く。


『でも…。』


マイは付け足すようにそう発言した。


『私、ケントさんがマフラーを付けてるの
見ていると嬉しいです。
だからもう少し寒いままでもいいかな…なんて。』


頬を緩めながらマイは言った。

マフラーと言うのはマイが私の誕生日に
プレゼントしてくれたものだ。

自分が渡したものを
相手が使っていると嬉しいということか…?


頭の中で少し考えた。

もし私がプレゼントをしたものを
マイが身につけてくれていたらどうだろう?


『ダメでしょうか?』

ケント「いや、ダメではない!」


マイが言った事をすぐに否定した。


二人、同じ事を思う


私もマイが身につけてくれたとしたら
それはきっと嬉しい事だろう。


ケント「マイの誕生日には
身につけれられるものを買ってもよいだろうか?」

『もちろんです!』


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