リンゴのように真っ赤
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『ケントさん、出来ました。』


留学のため、私はケントさんに
英語の勉強を手伝ってもらっている。

もちろんケントさんも忙しいから
毎回じゃないけど
今日はいつもと比べると余裕があるらしく
私の解いたテスト問題を採点してくれるらしい。


答案を渡し
ドキドキしながらケントさんを見つめた。

ケント「すごいな、全問正解だ。」

『本当ですか?』

ケント「ああ。
しっかり復習をしたのだな。」


そう言って私の頭を撫でるケントさん。

きっとケントさんからすると
子どもを褒めるようなつもりなんだと思う。

でもきっと数ヶ月前のケントさんは
そんな事しなかっただろうな。


そんな事を考えていると
急に顔が熱くなった気がした。


ケント「マイ、どうしたのだ?
…あっ、すまない…!」


そう言って手をサッと離すケントさん。


ケント「わかってるとは思うが
さっきのは…その、下心などは…!」


我に返ったように
いつものケントさんに戻った。


『わ、わかってます…。』


焦っているケントさんを見ていると
余計に顔が赤くなった気がした。


ケント「…。」

『…。』


急に静かになった研究室。


ゆっくり顔を上げてみると
私から視線をそらしているケントさんも
少し顔が赤くて。

それがなんだか嬉しかった。


リンゴのように真っ赤


それはお互い。


ケント「で、では
次の問題を、テスト、しよう。」

『は、はい。』


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