みんなでクリスマス
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「「「メリークリスマス!」」」


今日は12月24日、クリスマスイブ。

冥土の羊には数日前から
クリスマス用の飾り付けがされていた。

今日はそこに冥土の羊の従業員と
それからウキョウとリカも集まって
クリスマスパーティをすることになったんだ。

いつもより少し早めに閉店をした店内は
見知った顔ばかり。

そんな中、わいわいとパーティが始まった。


『オリオン、サラダも食べる?』

オリオン「うん!」


そしてマイがそのクリスマスパーティに
僕も呼んでくれた。


シン「おいマイ、お前もサラダ食べろよ。
肉ばっか食ってると太るぞ。」

『シンってば失礼だよ…。』

オリオン「そうだよー、マイは
細すぎるくらいなんだからねー。」

『ありがとう、オリオン大好き。』


そう言ってマイは僕に抱きついてくる。

ああ、こういう事か。

シンやトーマが
「マイが男扱いしてくれない」って言っていたのは。

まあ僕の場合は、年齢、だろうけど。


ウキョウ「ちょっと!マイにくっつきすぎ!
マイは俺のだからね!」


と、必死なウキョウ。

わかってるよー、とマイをウキョウに渡すと
マイは少し顔を赤らめている。

マイがそんな顔するから
ウキョウは男として見られてるのか、なんて
少し嫉妬しちゃうよ。


サワ「はいはい、お二人さん
私たちもいるんだからねー。」

ミネ「そうですよ。
見せつけなくてもいいですよ。」

『ち、違う、そんなつもりじゃ…!』

リカ「照れなくてもいいんですわよ。」

サワ「ごめんね、ウキョウさん
ほんとはマイと二人きりで過ごしたかったでしょ?」

ウキョウ「大丈夫だよ
みんなとのパーティすごく楽しいし。
あと、ちゃんとマイはここにいるしね。
それに明日は二人で過ごすつもりだから。」

ミネ「あ、そっか
クリスマスは明日ですもんね。」


なんて女の子たちが言ってる後ろで
あっちの男たちは何をしてるんだろう?


イッキ「今回はこれにする?」

トーマ「ケーキにハバネロはやばくないですか?
さすがにばれるでしょ?」

ケント「コーヒーに青汁混入
それから抹茶アイスにワサビ混入…その他もろもろ
一度もばれた事はなかっただろう。
だからハバネロも大丈夫ではないか?」

シン「まあ、あのウキョウさんですからね。」

ワカ「とりあえず死人が出ないように。」

ケント「当たり前だ。」

イッキ「じゃあウキョウさんの分に
ハバネロ、全部入れちゃうねー。」

トーマ「うわー…、真っ赤…。」

シン「ここクリームで隠せば大丈夫だろ?」

ケント「これは罰ゲームだな。」

イッキ「当然。
僕のマイを取ったんだからね。」

トーマ「いや、別にイッキさんのマイでは
ないですけどね。」

イッキ「そうだった?」


…ああ、なるほど。


オリオン「ウキョウも大変だね。」

ウキョウ「なにが?」

オリオン「あ、聞こえてないならいいんだ。」

ウキョウ「?」


女の嫉妬は怖いって言うけど
男の嫉妬も怖いね。

まあ、シンも言ってた通り、あのウキョウだから
ちょっとやそっとじゃへこたれないだろうけど。


『オリオン?』

オリオン「あ、なになに?」

『楽しんでる…?』

オリオン「うん、すっごく!」


僕は今まで人間と話す事も出来なかったし
触れることもできなかった。

だから今、すごく幸せだよ。

「人間になる事」が罰だったけど
罰がこんなに幸せだなんてダメなのかな?
なんて時々思うくらいに。


オリオン「マイ、ありがとう。」

『喜んでくれてよかった。』


みんなでクリスマス


オリオン「マイ大好き!」

『私も大好きだよ。』

イッキ「…みんな敵が増えたよ。」

トーマ「え、子供相手でも容赦なしですか?」


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