あなたとわたし 1 イタチ。呼び掛けると奴は振り返る。 手元にあった袋を振り向かない内に投げたが、あたる気配は全くなく奴の手へと渡った。 ち、と小さく舌打ちをすると呆れたようなイタチの顔が見えた。 「まあいいや、それ、サスケにね」 なにか小言を言われる前にそう言ってやった。暗にお前が食べんじゃねえよという意味も含めている。 「わかってる」 しょうがなさそうに言うもんだから、私はまた負けた。まあ、今更コイツと勝ち負け争ってもなんの意味も面白味もない。 「じゃあな」 ひらひら、と手を振って反対方向へと歩き出す。 ・・・てか、普通反対じゃないの? なんで女の私が家まで送ってるのよ。 そっと振り返った。イタチが見送ってくれてるのは知っている。 ・・・まあ、昔からだからいいか。なんてまた奴の顔を見て絆されるのです。 1/22 |