あなたとわたし 1



イタチ。呼び掛けると奴は振り返る。

手元にあった袋を振り向かない内に投げたが、あたる気配は全くなく奴の手へと渡った。

ち、と小さく舌打ちをすると呆れたようなイタチの顔が見えた。


「まあいいや、それ、サスケにね」


なにか小言を言われる前にそう言ってやった。暗にお前が食べんじゃねえよという意味も含めている。


「わかってる」

しょうがなさそうに言うもんだから、私はまた負けた。まあ、今更コイツと勝ち負け争ってもなんの意味も面白味もない。


「じゃあな」


ひらひら、と手を振って反対方向へと歩き出す。


・・・てか、普通反対じゃないの?
なんで女の私が家まで送ってるのよ。

そっと振り返った。イタチが見送ってくれてるのは知っている。

・・・まあ、昔からだからいいか。なんてまた奴の顔を見て絆されるのです。

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