PUZZLE 14 自分の口から出た言い訳めいた台詞に、道弘は思わず自嘲を漏らした。 ここへ来たのは、ただ気持ちを伝えたかったから。 だけど、想像以上に健気で一途なカズヤの思いに触れた途端、道弘の中にあったはずの理性という名の枷はことごとくなぎ倒され、その手は欲望をそのまま体現するかのように、カズヤの体を暴いていく。 片手で肩を抱いたまま、逆の手を服の裾から差し入れて、直接素肌を撫で上げる。 首筋を吸い上げながら胸の尖りに指を絡めれば、カズヤの口から高い声が漏れた。 「ッ、ア……!」 そのまま、二本の指できゅっと摘まみ、くりくりと抓ってやる。それに合わせてカズヤの背がビクリと震えた。 「ンッ、み……ちゃ……」 こんなところを他人に弄られるのは初めてなのだろう。勝手に反応する体に戸惑い、カズヤは縋るように道弘のシャツを掴んだ。 だけど、そんな風にされたところで、やめてなんてやれない。 布地を必死で握り締める手も、弱々しく自分を呼ぶ声も、枷になるどころか、むしろ情欲を煽っていく。 道弘はお構いなしにカズヤの服を首元までたくし上げると、あらわになった胸の粒を、今度は口に含んだ。 チロチロと舌先で転がしながら、もちろん反対側を弄ることも忘れない。 「アッ、みっちゃ……、や……、ア……」 「嫌?」 「ちが……、なんか……、あっ、あっ……!」 無意識なのだろうか。内腿を擦り合わせるカズヤに気づいた道弘が、カズヤの中心をそっと撫で上げた。 「あぁっ……!」 そこにあったのは、道弘の手を押し返すほどの弾力。 半信半疑でジッパーを下げ、下着の中に手を入れる。そこから取り出したものはしっかりと反応していて、自分の愛撫でこんなに感じてくれたのだと思うと、道弘は嬉しくなった。 もっと感じてほしい。もっと感じさせたい。だがその一方で、カズヤが性的に未経験であるということを思い出した道弘の手が、先へ進むことを躊躇い、止まる。 さすがにこれ以上は性急すぎるだろうか……。 だが、そんな道弘の心の葛藤など、まるで意味がなかった。 「……みっちゃん、俺、みっちゃんになら、何されても、いいよ……」 カズヤのその言葉に、道弘の中の最後の砦はあっさりと突き破られる。 一度は勢いを増した理性も、それを上回るカズヤの可愛さに破砕され、道弘はそっとカズヤを抱きしめ、なるべくゆっくり、その体をシーツの上へと押し倒した。 改めてカズヤのに手を伸ばし、五指を使って握りこむ。コクリと喉を鳴らしたカズヤが、瞳に不安を宿して道弘を見上げた。 「――ただ、気持ちよくするだけだから……」 答えのような言い訳のような、そんな言葉を返しながら、道弘はゆるゆると手を動かす。 [戻る] |