「えっ? それはだめよ」
「なんでっ!?」
 脱靴場を出て、いつもならそのまま正門へ向かうところを、駐輪場の方へ。
 戸惑いながらも私についてきたロビンに、自信満々にぴかぴかの愛車をお披露目。そして「ロビンは後ろに乗って!」と言うと、これ。一蹴するとはまさしくこういうことだろうとばかりに、ぴしゃりとはねつけられた。
 ちょっと。私のほうがびっくりさせられてるんですけど。
 一方ロビンは、あくまで毅然とした態度で続ける。
「なんでって、自転車の二人乗りは法律でも校則でも禁止されているもの」
「……」
「それとナミちゃん、何度も言うようだけれど、ブラウスの下にそんな派手な柄のTシャツを着るのはどうかと思うの」
「……あの」
「あっ、そもそもこの自転車、許可証が無いじゃない。ちゃんと届け出ないと」
「はい、すいません」
「もう……じゃ、帰りましょう?」
 不覚。
 浮かれちゃってて、すっかり忘れてた。ロビンはくそが付くほどの大真面目で、ガチガチに頭が固いのだということ。
 さっきだって、私含め他の生徒はだいたいみんな置き勉してるのに、ロビンは毎日律儀に全ての教科書類を持ち帰ってる。楽なのにって勧めてみても、課題や自習に使うかもしれないから、って。ご立派。学生の鑑ですね。
 そう、そうなのよ。
 ロビンは、真面目。当然、自転車の二人乗りなんて許すはずがなかった。

 
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