「失礼します副長。宝生です。報告書を持ってきました」
「入れ」
すっ、と副長室の襖を開ける。
案の定背を向けて机に向かい書類と格闘してる姿が目に入った。
「見廻組についての調書です」
「おう、確かに受け取った」
くるりと振り向いて書類をめくって確認する。
「ごくろーさん。…今の所は大丈夫か、宝生」
「あ…」
「何かあったら言えよ。出きることなら協力するからよ」
「あの、副長…実は」
「なんだ?」
かかったァァァァァ!
私は心の中で猪木並みに雄叫びを上げてたがうなだれてみせて、副長にチェリー共に言い寄られてるとオブラートでがんじからめにした言葉で話した。
「それで、断る口実が欲しいんです」
「口実…って、恋人がいるとかか?」
「はい。私なりに考えたんですけど、実際にいなくてもそれとなく匂わせて悟らせる…みたいな角の立たない方法じゃないと調査に支障が出そうで」
「なるほどな」
「で、副長にプレゼントを買ってきてほしいんです」
お金の入った封筒を渡す。
「私が選んだように見えりゃ逆効果なんで、好きな女の子でも想像しながら副長の好みで買ってきてください」
話したことにほとんど嘘偽りはない。
でも、好みじゃない物を買えば事足りる話だ。
これは、鬼の副長さんへ囁かな仕返し。
「別に構わねーが、なんで俺?総悟とかいるだろ」
「首輪なんかはめる趣味はありません」
こーいうのはある程度女性の扱いに慣れてないとダメです。
副長モテるでしょう?
そう言えば副長は渋々ながら了解してくれた。
私は知っている。
副長顔は良いし(生活習慣は壊滅的だけど)女の人は黙ってても寄ってくる。
だけど副長自身はすごく初で好きな女の子に気の利いたプレゼントなんてとてもあげられるような人じゃない。
繰り返し通る場所でないとそんなものが売ってる店なんて知ってるわきゃ無い。
因みに沖田くんが向かったのは
見廻りの範囲内で
尚且つ人目が少なくて
屯所から遠い場所の
女性用の雑・貨・店☆