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想いに惑う愛玩少女?


「のーきっ!」

「ふわっ?!」

急に勢いよく背中に抱きつかれた
腰に回された腕、聞こえてくる笑い声


「あの・・・何の用事ですか憂透さん?」

「別にー?ちょっとのっきーに抱きついてみようかなー?って」

そうして体を密着させてくる憂透
触れる温かさと柔らかさに乃祈は変な気持ちが生じるのを感じて焦る


「えぇと、じゃあもう用事は済んだんですよね・・・?離れていただいても「い〜やっ!」

口に出したのが逆効果で抱きつく力が強くなる


「あのっ!憂透さん」

「ん〜乃祈は可愛いな〜、すりすり〜」

「あわ・・・あうあぅ・・・」

頬擦りされ、お腹をくすぐられる
愛玩動物を愛でるような行為に追い詰められていく乃祈


「う、憂透さん」

「んー?何かな?」


「あっ・・・あの、もう一回失礼ですけど、離れていただけませんか・・・?」

「えーやだー!」


「う・・・でもでも、やっぱりいけないと思います
その・・・男女がこうなってるの!」

顔を真っ赤にし訴える乃祈
相手の動きが止まり、離してくれるかと淡い期待を胸に抱く・・・が


「別にのっきー女の子と大差ないから大丈夫じゃない?」

と呆気なく返された

「えぇっ!?酷いですっ!ボクだってれっきとした男ですのにっ!」

「いやいや、見えないし」

「そんな・・・」

がっくりと項垂れる
すると憂透が今度は抱きついたまま乃祈の前方に回り込んできた
向かい合う形につい後退るが腰が固定されて動くことはできない

憂透の紅い瞳がじっと覗き込んでくる
その瞳に見入り数秒、見つめ合う二人


「ねぇ」

「はい?」

「乃祈ってさぁ・・・」

「はい・・・」



「やっぱり可愛い顔してるわよね」

「うぅっ!!(泣)」


いつもの如く可愛いと言われ、羞恥心に両の手で顔を覆う

男なのに!男なのに可愛いだなんて!慣れませんこんなの!

泣き出したくなって、体が勝手に震え出す


「あー泣かないでー、お姉さんつい可愛いのっきーを苛めたくなっちゃってさ?これも愛情表現のひとつだと思って」

「うっ・・・嬉しくないです・・・くすん」

「あーもうよしよーし」

憂透が頭を撫でて慰めるが乃祈は逆に落ち込んだ



「ねぇ乃祈?そんなに男に見てもらいたい?」

「えっ?」

吃驚して顔を覆っていた手を外す
眼前には憂透の顔
彼女の手が頬を滑る感触が気持ち良くって無意識に目を細める

答えを求めるように首を傾げる憂透に首を縦に振って答えると


「じゃあさ・・・


男見せてみよっか


「・・・え?」

思わず声が漏れた

男を見せる?
憂透さんに?
男を・・・?


「さて何して貰おうかな・・・あ!年上命令だから拒否権は無しよ!」

嬉しそうな憂透
乃祈の方は完全についていけず、『年上とはいえ一つ違いだけどな・・・』などと考えていたりして・・・


「じゃあキスでもしてもらおうかな」

「・・・・・・ぇ?」


頭が真っ白になった
キ・・・す?
キス!?


「え、えええぇぇっ!?!?」

「なぁーに?大声出しちゃってー?」

「えっやっ!そのっあ、あの・・・キスって・・・」

「うんそう、どこでもいいぜー?」

頬を緩め憂透は慌てふためく乃祈を尻目に目を瞑る

神よ、これは貴方様がお与えになった試練なのですか?

顔が熱い、ドキドキする
眼前の少女の頬は仄かに赤く
互いの唇少し動けば届く距離

怖いくらい心臓が煩くて、解放されたいけど逃げたくなくて
意を決し彼女の肩に手を置いて目を閉じ、そして・・・


バタンッ!←扉が開く音
ビクッ!?←驚く擬音
「乃祈ー?」←乃祈を呼ぶ声

振り返ると見知った少年がソコにいた
二人の様子に彼は訝しげな表情になる


「・・・どうかしたのか二人とも?」

「あ・・・あn「思妖!何のっきーとの楽しい遊びの邪魔してんのよ!コラ!」へ?憂透さ・・・ん?」

先程の雰囲気が微塵も感じないいつも通りの憂透が怒りを露にする


「何だよ憂透、また乃祈を苛めてたのか?何回やめろって言えば気が済むんだよ」

「へーん!アンタにとやかく言われる筋合いないですよーだ!」

ゆっくりと乃祈から離れる憂透
そして彼女の肩から落ちる乃祈の手
つい「あ・・・」という声が口から出て、それが聞こえたのか憂透が乃祈を見る

そして小さな声でこう言った

「リベンジはその内に・・・ね?」



「え・・・「さーて思妖に何か言われる前に逃げますか!バイバーイ!」

最後にウインクして彼女は外へと駆け出していった


「何かあったのか乃祈?顔が赤いぞ?」

「・・・・・・ん」

俯き、頬を染めた少年を見て
「さて、何があったのやら」と親友は肩を竦めた



ねぇリベンジって

あのドキドキをもう一度なんですか?




++++++
原文をかなり削ったからgdgd過ぎる

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