ライン

もしかしたら



※多分未来っぽいの。
お二人が恋人設定です。はい。







「ねぇルカ気持ち悪い、薬ちょうだい」

げんなりと青い顔をしたイリアは、そう言ってふらふらと近づいてきた。


「え?大丈夫?」

ルカもそんな彼女の様子に慌てて駆け寄り、肩を抱いて支えてやる。
そして身近なところへ座らせると素早く脈をとり始めた。


「ちょっとだけ・・・早いかな?ねぇ、いつから気持ち悪くなったの?」
「今さっき・・・うぅぅ・・・吐ぎそう・・・」
「何か口に入れた?例えば・・・外に出したままの物とか」
「お昼から何も摘まんでないって・・・・・・うぐ」

ぎゅっと服を掴んでくる弱々しい彼女に、ルカは不安を募らせながら頭を動かしている。
しかし、原因が分からなければ解決のしようがない。

「・・・・・・はぁ〜っ。もうヤダ、ルカ〜・・・何とかして〜・・・」
「してあげたいのは山々だけど・・・いきなり気持ち悪くなる・・・・・・いきなり?」

はたと何かを思い付いたらしいルカが言葉を止める。
そして、いきなり服を掴んでいるイリアの手を取ると立ち上がった。


「イリア、病院に行こう」
「え?なに?これあんたの専門外の事例なわけ?」
「あ・・・まだ可能性の話なんだけど・・・・・・うん、専門外だから早く行こう」
「ちょちょちょちょっと待ちなさい。このまま?え?ゲロ吐けそうなのに」
「おぶってでも運ぶから早く行こう」

ヤケに真剣な表情で「行こう」一点張りのルカの様子にイリアは冷や汗をかく。

え?そんなに悪いの?

不安が胸を過り口を抑えながら悪いことを考えてしまう。


――が。

「・・・・・・?ルカ、あんた何で顔が赤いのよ」
「大丈夫だから。早く行こう」
「いやいや、何が大丈夫なのよ」

なんと言うかルカの方がおかしくなっていることに、イリアは疑問符を浮かべる。
仄かに赤い顔。
可能性とか、大丈夫とか意味がよくわかってないイリアだが、とりあえずそんなルカの様子に「あぁ深刻ではなさそうだ」と考えてよろめく足に喝を入れながらゆっくり立ち上がった。



“もしかしたら”福音の足音




数時間後。
違う意味で深刻な話に、ルカが赤い顔のままイリアを抱き締めた。






++++++
書いたの久しぶりだったけど珍しく上手くまとまりました。
ルカイリいぃぃぃぃっ!!

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