3回の表『バカも実力のうちとは言わん』

テスト期間に入り、部活はテストが終わるまで休み。
私の学力は聞かないでね。
同級生でいえば、一言で表せば「バカ」な人もいる。


「五十嵐君!!」
「おう、長瀬!一緒に部活行くか?」
「…はあ、今日から部活ないよ。」
「なんで!?」
「テスト期間!忘れたの!?」


五十嵐総悟君は実力はあるけど、頭を使わない。
感覚で何とかなっちゃう人。


「早く図書室行って勉強しよ。みんな待ってるよ。」
「勉強ヤダ…。」
「つべこべ言わずに行くよ!!先に1年だけで勉強会はじめてるんだから、私の点数下がったら五十嵐君のせいだからね!?」


襟首を引っ張って無理やり図書室に向かう。
到着したところで、みんなは静かに勉強していた。


「お待たせ〜。」
「ヤダヤダ、練習してえ!」
「俺だって練習したいけどな、大会に出るためにも、このテストだけは乗り越えなくちゃいけないんだよ。」
「「そうそう。」」


寺沢兄弟も便乗すると、しぶしぶとかばんに入っているノートを広げた。


「しょうがないな、これから閉館時間までがんばったらコンビニのお菓子一つだけおごってあげるから。」
「ホントッスか直樹先輩!!」
「直兄は約束を破ったことはないよ、ね。」
「それは兄弟だからじゃ…それはいいとして、はじめよっか。」


大会に出るためにも、少なくとも追試にならない点数でなければいけない。
数時間したところで、直樹先輩が立ち上がった。


「俺はこんなもんでいいかな。」
「直樹先輩………。」
「ん、どうした五十嵐。」
「ごごおじえでぐだざい!!」


まさかのすべてが濁点付き涙目で言う。
直樹先輩は肩を竦め苦笑いで、五十嵐君の向かい側の席に座った。




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