七夕(黒霧&華月)


華「黒霧、短冊を書きませんか?」
黒「短冊……?」
華「七夕なんですよ。七夕くらい知っているでしょう?」
黒「織姫と彦星が年に一度会える日。短冊に願いを書く日」
華「大雑把な知識ですが、まぁ間違ってはいませんね。ということで、書きましょう? 願い事」
黒「勝手に一人でやれ。そんなものない」
華「いいじゃないですか。せっかく笹の木まで用意したんですよ? 願いの一つや二つあるでしょう?」
黒「ない。あったとしても、そんなもので叶うわけがないんだ、無意味な事だ」
華「そんな事はありませんよ。こうして、誰かと一緒に短冊を掛けるのは、楽しいじゃないですか」
黒「楽しい……か?」
華「楽しいです。こんな事を願ってるんだなぁとか知れるのって、貴重じゃないですか? 年に一度の特別な日ですよ」
黒「……」
華「ね? ちょっとだけですから。はい」

(無理矢理、ペンと短冊を渡す華月)

黒「……」
華「うーん、私は何を書きましょうか」
黒「……」
華「黒霧もちゃんと書いて下さいね?」
黒「……む」

(数分後)

華「さーて、書けました! 笹の木にかけて。……黒霧は書けましたか?」
黒「一応、な」
華「まぁ! 書いてくれたんですか?」
黒「お前が煩く言うからだろう」
華「そうですか。ありがとうございます」
黒「だから、仕方なく、だからな」
華「ふふ……じゃあなんて書いたんですか?」
黒「言わん。見せるとは約束してないからな」

(黒霧は、笹の木の一番上、華月の背では届かない場所に短冊をかける)

華「残念、仕方ありませんね。諦めます」



★ちなみに短冊に書かれていたのは……
華月「誰もが幸せな世界になりますように」
黒霧「華月の願い事を叶えろ」

END



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