キミのおこした奇跡ーAnother Blue


≫Clap ≫Top

全中弓道関東大会!


指先で送るキミへのメッセージ


to::黒羽快斗
sub:芳賀あおいです。
本文:今日はお疲れ様でした!番号も交換してくれてありがとう!"((∩´˘`∩))"他校の友達いないから嬉しかったです。黒羽くん、全中頑張ってね*:☆.。


帰宅の車内で、ディスプレイを飾る「黒羽快斗」の文字を凝視しすぎていたら(主将たちに不審がられたけど気にしなかった)充電があっという間になくなってしまった私は、解散の号令と共に(自分的)猛ダッシュでマンションに駆け込んだ。
変じゃないよね?
普通だよね??
これ友達に送る最初のメールで正解だよね???


「よ、よし…!」


充電しつつそんな不安に駆られながらも、いやいや送らない方がダメでしょ!と思った私は数回深呼吸をした後で意を決して送信ボタンを押した。


「…お、押した!!」


たったワンアクション、親指をちょっと動かした、それだけ。
けど今の私にはその親指の先にあの爽やかオーラ全開の黒羽くんがいると思うだけでとんでもなく勇気が必要だったし、なんて言うかな…やりきった?
今日私きっと今この瞬間が1番頑張った!!っていう謎の達成感に包まれていた。


「来ないな…」


それは冷静に考えれば当たり前のこと。
黒羽くんには黒羽くんの事情があるわけで。
24時間ベッタリケータイの前に張り付いていられるわけがない。
だから送ってすぐに返信がなくても全然普通で、少し考えればわかることなんだけど、この時の私はマズい!さっきの文章何か粗相をしてしまったんじゃ…!とか。
え?いきなり馴れ馴れしすぎじゃね?って思われたとか…!!なんて。
そんなことが脳内を駆け巡ってしまい、黒羽くんに送信ボタンを押してからまだ5分しか経ってないけど、悶々と画面を睨みつけていた。
だってさ、うっかりメール送っちゃったけどさ、私そんなまだ黒羽くんと出逢ってたったの2回目なわけで。
2回目の人間にそんな馴れ馴れしく「友達いないから嬉しかったー」なんて言われて、え、俺そんなつもりじゃなかったんだけど?とか思われちゃったらさ。
別に「他校の友達」になるつもりじゃなくて、俺は弓道のこととか連絡出来ればって思ってたんだ、なんて黒羽くんに思われたらとか思ったらもうどうしていいのかそんなだってそれって出会い頭でやべぇコイツ俺のこと好きなんじゃね?って思わせちゃった感じするしだけど私ハート送るのはさすがにまだちょっとハードル高めだったから星にしたのにそんなそんなだってそれってよく知らない子に好意を示されたらいっくら爽やか王子の黒羽くんだって


キンコン


目力でケータイに穴を開けれるんじゃないかってくらい画面を睨みつけてたら、音と共にメール通知がディスプレイに写った。
自分で言うのもなんだけど、反射神経も人並み…以下…だったりする私の人生の中で最速でケータイに触れたんじゃないかって速さで通知を開いた。


from:黒羽快斗
sub:ありがと!
本文:連絡ありがとな!俺も他校の可愛い友達出来て嬉しいv 全中終わるまでは毎日部活あるけど、終わったら暇になるからそしたら遊び行こうぜ!


「ふあぁぁぁ…!」


通知を開いたら、文字からして爽やかオーラが飛び出していた。
黒羽くん!!ハート使ってるっ!!!
しかもっ!!可愛いって!!
黒羽くん!!!可愛いって!!!!
なんて思ったら変な声が出ていたけど、今誰もいないから気にしない!
しかもナチュラルに遊びに行こうだなんて、何それデート?デートなの?黒羽くんからデートに誘われちゃったの私!!??


「ふへへへへへへ」


きっと今この瞬間ににゃんこがいたらキモッとか言われるのかもしれないけど、いいの今の私は無敵なの。


to:黒羽快斗
sub:わーい\(*ˊ□ˋ*)/
本文:また黒羽くんに会えるの楽しみにしてるね!部活がんばって!(* ˘ -˘*)オヤスミナサイ.。


ニヤニヤニヤニヤと、その日は眠りに落ちる瞬間までケータイを弄っていた。

.

prev next


bkm

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -