キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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年末年始の過ごし方


年越しのお誘い


「ん?んんんー??」
「どしたー?あ、そこか。そこはこっちで使った公式を、」


クリスマスも無事に終わり、快斗くんは本当に毎日うちに来てくれて。
快斗くんも頑張ってくれて2日で本当に隅々まで大掃除することができた。
そして現在12月30日。
目下学校から出された(私の)宿題をしている。
ちなみに快斗くんは、俺これくらいなら1日で終わるからー、で私を見つつ自分のやりつつでももう終わっている。


「お、終わったぁぁ!!」
「おー、頑張った頑張った」


快斗くんの協力もあり、無事年内に宿題を終わらせることが出来た。
その私に拍手して褒めてくれる快斗くん。
…これだよ。
ねぇ、工藤くん、これなの!
このやり終わった後にちゃんと達成感を満たしてくれるこの言動!!
これが私には必要だったのっ!!!!


「快斗くんのお陰で安心して年が越せるよ!ありがと!」
「あおいちゃんが頑張ったからだろ?俺は手伝っただけ!」


そう言って、今日終わると思ったから終わったら食べようと思って、って用意していたお菓子に手を伸ばした。
…爽やか!!
今日も快斗くん爽やかマイナスイオン出してるっ!!


「明日なんだけどさー、」
「うん?」
「あおいちゃんが良かったらだけど、来る?うちに」
「…うんっ!?」


大掃除も終わって、宿題も終わって、あぁ年末も年末、今年も終わるねーって話してた時のこと。
快斗くんが不意に尋ねてきた。


「えっ、で、でも快斗くんち今お母さんが、って、」
「うん。だから会ってみたいんだって、あおいちゃんに」
「…ななななななななんでそんなそんなっ!?」


会ってみたい?
快斗くんのお母さんが私に会ってみたい?
えっ、なんでそれもしかしてうちの自慢の息子にアヤつけるアバズレのツラ拝ませろって言うあれなの!?(最近任侠ドラマにハマってる)


「実はさー、言っちゃったんだよねあおいちゃんちの事情」


ごめん、て快斗くんは伏し目がちに誤りながら言う。
…あぁ「だから」だ。
それは優作さんや有希子さんが私にしてくれたこと。
「だから」快斗くんのお母さんも…。


「まぁ元々、俺が頻繁に会ってる女の子だしそういう興味もあるみたいだったけど、あおいちゃんさえ良かったらうちで一緒に年越ししないかー?って」


チラリと私の顔色を伺うように見てくる快斗くん。
…快斗くんのお母さんの言うこともわかる。
わかるんだ、けど、


「とっ、年越し…?」


とても気になるワードが入っていた気がした…。


「あぁ、うん。どうせならうちで年越しして、そのまま泊まってもらって元旦一緒におせち料理食わねーか、って」
「とまっ!?」


今すっごいナチュラルに快斗くんが俺んち泊まれって快斗くんが俺んち泊まれって泊まってだってそんな私たちそんなお泊りなんてそんなそんな


「あ、あおいちゃんは客間に泊まってもらうことになるから」


大丈夫だよ、って快斗くんは言うけどそういうことじゃなくて「私が」「快斗くんちに」「泊まる」という事実がすでに大丈夫じゃなくない!?


「…嫌なら無理しなくても、」
「嫌じゃないよ!」


快斗くんちに泊まれるんだよ!?
嫌なわけないじゃん!!
むしろ快斗くんち宿泊権利を他の女の子が持ってたらその人と一騎打ちしてでも止めたいくらいだよ!?
嫌なわけ!ないじゃん!!!
…でも、でもさ、


「嫌、とかじゃ、なくて、さ…」
「うん?」
「な、」
「な?」
「な、なんっか…緊張?する、なー…とか、さ、」


だって普通に考えてよ!
快斗くんちだよ!?
ただでさえ行くだけでいつもドキドキしてるのに、マイナスイオンの聖地に泊まるなんて私マイナスイオン浴びすぎて身体がおかしな化学反応起こしそうじゃない!?
そんなことになったら迷惑どころかドン引きされてオメー2度とうちに来んなってなったらどうしてくれるのっ!?そりゃあ快斗くんはそんなこと言わないかもしれないよ?でも実際にそういうこと言う男の子(現在ロス)知ってるし絶対言われないとも限らないじゃん!!


「ふはっ!」


私がうわぁぁ!!ってなってたら、快斗くんが突然笑い出した。


「大丈夫だって!お袋も別に取って食うわけじゃねーし、それに一般的な『母親』の型に嵌まってねー人だから、たぶんそこら辺のお母さんて呼ばれる人よりフランクで話しやすいと思うぜ?」


だから安心して、って快斗くんは言う。
………快斗くんに言われるまで全くその心配してなかったけど、今快斗くんちに行くってことは快斗くんのお母さんとお話しなきゃいけない、ってことだし、もし万が一ここで嫌われてうちの息子に金輪際関わらねーって指詰めて約束しろなんて言われるんじゃ(昨日の任侠ドラマがそんなだった)


「だ、大丈夫かなぁ…?」
「大丈夫、大丈夫」
「手土産とか、」
「いらないいらない!」
「で、でもやっぱり迷惑なんじゃ、」
「気にしなくていーって!うちも2人しかいねーんだから、少しでも人多い方が楽しいだろ?」


私の言葉を尽く打ち砕いた快斗くんのお陰(?)で、今年の大晦日は快斗くんと快斗くんのお母さんという私的聖地巡礼と同義語の人と過ごすことになった。

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bkm

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