キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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文化祭!


帝丹高校文化祭


最近(というかこの前のことがあってから)気づいたんだけど、


「快斗くん!」
「おわっ!?…あおいちゃん、ほんとそれ好きだねー」


快斗くんは私が抱きつくと異様に喜んでくれる気がする。
この前のことで、私も快斗くんがぎゅっとしたりちゅうしてくれるのが嬉しいように、快斗くんも私からぎゅってすると嬉しいんだってことがわかった。
それも抱きついた前と後では快斗くんの声の甘さが変わるレベル(当社比)
普段は甘さの中に爽やかさもあるんだけど、私が抱きつくと甘さの比重が跳ね上がる。
その糖度の高い声が、私的に爽やかマイナスイオンに匹敵するほど身悶えるものになっている。
これはただくっついてた時には気づかなかった、私的には重要な発見だ。
いつものようにご飯を食べて、俺が洗うよーって言ってくれた快斗くんに後ろから抱きつくっていうのが最近のマイブームになりつつある(何せ快斗くんの匂いまで堪能できる素晴らしいブーム!)


「なんで正面からは抱きついてくれないの?」


洗い物も終わってまったりしてる時に快斗くんが聞いてきた。
俺寂しいなー、みたいな勢いで快斗くんは言うけどさ。


「だ、ダメだよっ!正面なんて、まだハードル高いって!」
「そっかー、ハードル高いかー」


早くハードル越えれるといいねー、とか他人事のように快斗くんが笑っていた。
…やっぱり糖度高くなると笑顔も甘い!!(当社比)
カッコいい!!笑顔も甘カッコいい!!


「そーいやさぁ、」
「うん?」
「帝丹て文化祭いつ?」


私が快斗くんに身悶えてると、何か思い出したかのように快斗くんが聞いてきた。


「あー、今月末だよ」
「マジで?それ外部参加ありな奴?」
「え?どう、だろ?聞いてみないとわかんないけど、」
「参加ありなら俺行きたい!」


はーい!と手を上げて言う快斗くん。
……えっ!?


「う、うちの文化祭に?」
「おぅ」
「来たいの?快斗くんが?」
「行きたい!」


帝丹の文化祭興味あるし、なんて言う快斗くん。
…いやでもうちの文化祭って言ったらさ。


「お、おもしろくないんじゃないかな?」
「そんなことねーだろ。園子ちゃんとかめちゃくちゃ気合い入ってそーだし!」
「まぁ園子は…うん…そうだね…」
「だろ?えー、外部参加OKかなー?行けるといいなー!な?」
「えっ!?う、うん…」


すっかり来る気になってる快斗くんに、来ないでとか、来ない方がいいとか、言えるわけもなく。
…でもさ、うちの文化祭って言ったら新一くんがいるじゃん?
そこら辺どうなのって思っても、私からは新一くんの名前を出せずにいた…。


「え?黒羽くん、うちの文化祭に来んの?」
「来るって言うか…来たいって言ってる」


お久しぶりな園子会議で、ちょっと聞いてくださいよ、と話しを振った。
ちなみにこの話しの前は放浪の武者修行に出た京極さんにメール返してもらえるようにするにはどうしたらいいか、って話だった(解決案出ず)


「で、でもさ、文化祭って言ったら新い」
「おもしろくなってきたぁ!!!」
「えっ!?」
「こうしちゃいれないわ!!準備に気合い入れるわよー!!」


私の言葉を最後まで聞くことなく、園子が燃えた。
…え、ええー…。
来ないように止める知恵貸してくれるとかじゃないの?
なんで燃え上がっちゃったの…。
てゆーかこの燃え方見ると、とりあえず外部参加はいいんだな、ってのはわかったけど…。
ううーん…、新一くんと鉢合わせしないようにすればいいのかな?
新一くんにそれとなく予定聞く?
…いや駄目だな。
あのにゃんこの鋭さ、うかつに聞くと文化祭前に快斗くんが来ることバレちゃうな…。
当日上手く逃げ切るしか…。
あぁ、嫌な予感しかしない…。


「あおいちゃーん!」
「快斗くん!迷わなかった?」
「ダイジョーブ、ダイジョーブ!」


いかに快斗くんと新一くんを合わせずに文化祭を乗り切るかってことを考えていたら、あっという間に文化祭当日がやってきてしまい…。
予定通り、快斗くんは朝イチで帝丹高校に現れた。


「あおいちゃんのクラスはお化け屋敷って言ったっけ?だからその格好?」
「そうそう。私は事前準備班だったから衣装とかも着なくて良かったんだけど、せっかくだからみんなで着ようってなって。私は黒髪だから貞子なの」
「あ、それ貞子なんだ」
「え?見えない?」
「…あおいちゃんは何しても可愛いねー」


ぽんぽんと私の頭に手を置く快斗くん。
…うそ、完璧貞子じゃん!とか自画自賛したけど見えないのもしかして…。


「あ!あおいー!」
「園子!抜けて大丈夫なの?」
「ヘーキ、ヘーキ!黒羽くん久しぶりー!」
「おー、園子ちゃん久しぶり」


快斗くんと歩いてたら、ネコ娘な園子がやってきた。
…この2人に面識があることは聞いてたけど、実際目にするのは初めてだから不思議な感じだ。


「あおい、さっき教室で蘭が探してたわよ?」
「え!?うそ!」
「ほんとほんと。小道具1つ見つかんないっぽい。行ってやんなさいよ」
「え、で、でも快斗くんが、」
「黒羽くんは私に任せて!」
「わー、それ俺の意見聞かない感じ?」
「え、え、快斗くん大丈夫?一緒に行く?」
「……園子ちゃんにテキトーに案内してもらってっから、あおいちゃんは早く用済まして来いよ」


え、それは、って思っても、快斗くんも園子も手を振って私を見送るから、じゃあ終わったら連絡する、って言って教室に戻った。

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bkm

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