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変態に恋、されてしまいました


スキンシップじゃなくてセクハラです


「おはよー!」
「お、おはよ…」
「名前ちゃん、そんなにびくびくしなくても…」
「でもあーちゃん!いつどこから狙われるか!!」
「そーそー!油断大敵だぜ?名前今日も可愛い!!」
「は、離してーーーっ!!」


快斗がみんなの前で私に抱きついてから早4日。
まさか。
こんなにも。
ところ構わず四六時中つけ狙われるなんて思いもしなかった!


「でもすっごい快斗くんらしいと思うよ?」
「恵ちゃんひどい!他人事すぎるっ!!」
「だって他人事だもん」
「…ひどい」


クラスメートは最初の1日こそ驚いていたものの、2日目には慣れたらしく。
3日目に至っては、ああまたやってる、で誰も助けてくれない!
あり得ないっ!!


「だ、だいたい!なんでいちいち抱きついてくるの!?」
「そりゃー名前がいい匂いさせてるからー!」
「…出た」
「人を化け物か何かのように言うの止めてくれねぇか?」
「まだオバケの方がマシだよ…」
「ひでぇ!青子聞いたか!?名前が今俺の心を深く抉った!!」
「いや、でも快斗の行動が」
「オメーらも聞いたよな!?名前が俺の心を抉った!!」
「うーん、今のはいくら黒羽でも傷つくって」
「え?」
「工藤さん、今のはちょっと黒羽が可哀想だよ」
「ええっ!?」


4日目に至っては快斗がいつ私を落とすかクラス全体でトトカルチョが始まってしまったらしく、誰も助けてくれないどころか、みんなが敵になった気がした。


「…もう学校来たくない」
「名前ちゃん、青子だけは味方だからっ!」
「…あーちゃんっ!!」
「俺もまーぜて!」


優しい言葉を掛けてくれる青子に抱きついた。
ら、何故か私の後ろからもう1人抱きついてきた…。


「…」
「…」
「…」
「…あーちゃん」
「ばーかーいーとーー」
「オメーちょっとは遠慮しろよな、アホ子!」
「あんたが遠慮しなさいよっ!!」


ああ、平和な日常返してください。


「それは仕方ないよー。快斗くんに好かれたオプションだと思わなきゃ」
「そんなオプションいらないっ!」


だってさっきなんかぜんぜん知らないヨソのクラスの男子が、快斗の刺客として私のところにやってきたんだよ!?
いきなり声掛けられてなんだろって思って油断したらまたどっから沸いたのか快斗が出てきてガバーっと!!


「まぁまぁ、快斗くんも名前ちゃんのことそれだけ好きってことでしょ?」
「…恵ちゃんはいつに賭けたの?」
「耐えきれずに2週間以内」
「…友情に亀裂が入ったよ、今」
「青子はゆっくり洗脳されて1ヶ月半に賭けてたよ」


誰も信じられないっ!!
もうここは戦地だ。
うん、そう思おう!
戦地では敵の前に友情も塵に等しいっ!
誰も助けてくれない!
私がしっかりしないと!!


「名前、おっはよ!」
「近寄らないでっ!」


私がしっかりしないとっ!!


「…なんでそんなに前屈みでカバン抱え込んでんの?」
「こーでもしなきゃ人前で胸触ってくる変質者がいるのっ!」
「えーほんとに?ひでぇな」


オマエが言うなっ!


「でもさー、」
「なに!?」
「気づいてないようだから教えてやるけど、」
「だからなに!?」
「そんなことしたら可愛いお尻が丸見えだぜ?」


さわさわさわさわ〜。
なんてことっ!?
両手で両胸隠したら、お尻を触られるなんてっ!!


「ま、スキンシップスキンシップ!そんな身構えるなって!」
「ふ、」
「ふ?」
「ふざけないでーっ!!」
「ふざけてねーしっ!そのうちこれがなきゃ1日が始まらなくなるって!」
「そんなの絶対嫌ーーっ!!」


私の絶叫響く中、今日も江古田高校の1日が始まる。



Tスキンシップじゃなくてセクハラです

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