Attack On Titan


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ゴロツキ純愛ラプソディ


14


「どうだった?」
「ただの捻挫だ。」
「…そういうことを聞いてんじゃねぇだろ…。」


救護室から帰ってきたリヴァイは至って普通。


「話し合ってきたか?」
「…」
「お前なぁ、っておい!」


リヴァイは俺の説教を聞きたくないようで、スタスタとそのまま立ち去った。
…これは本当にここで終わっちまうんだろうか…。
エリザは謝るとイザベルに言ったらしいが、仮にそうなったとしてもリヴァイがあんな態度じゃ…、なんて。
まるで手のかかる弟、妹を見守る兄のような立ち位置の自分に頭を抱えていた。
………けど、それが怒りに変わったのはそのすぐ後!


「「あ」」


俺とリヴァイが歩いている時、バッタリとエリザに会った。


「…あー、っと、」


リヴァイのあの言い方だと、絶対何も改善されていないはずだ。
そう思い「俺が」何か言わねぇと、と思いつつも、突然の遭遇に何を言えばいいか咄嗟に出てこなかった時、


「手首、どうですか?」
「え?」
「そうだな…、まぁ、普通だ。」
「え!?」


何かを言おうとした俺を尻目に、2人が会話し始めた。
まさかのエリザからの話題振りに驚いた。
それに対し、リヴァイは怪我した手首を何度か回しながら答えていた。


「それは良かったです。」


そのリヴァイを見ながら、エリザは緩く微笑んだ。
…そう、「あの」酒をぶちまけた事件からは想像もしなかったが、リヴァイに向けて笑った…。


「あ、でも経過報告にはちゃんと来てくださいね。医師も心配してます。」
「…めんどくせぇなぁ。用があるならお前が来いと言っておけ。」
「お断りします。自分で言ってください。」
「…」


しかも軽いジョークとも取れる会話をしていた。
…なんで?


「お前らいつの間に仲良くなった?」


俺1人置いてけぼり感ハンパない中、エリザが去った後リヴァイに尋ねた。


「すれ違い様会話する程度だろう。」


お前、少し前はそれすらなかったじゃねぇか、なんて思うのは俺だけか?


「お前それはないだろう!俺がどんだけ、」
「ファーラン。」
「あ?」


俺がいかにリヴァイのために東奔西走してきたかを語ろうとしたら、いち早く気づいたのか、それを止めにかかりやがった。


「人のことどうこう言う前にお前自身はどうなんだ?」
「…どう、って、何が?」
「エルヴィンが言ってたじゃねぇか。今度お前の班を作って、ゆくゆくは分隊を任せるようにしたい、と。」
「いや、俺がこんな変人集団の分隊なんか見れるわけねぇだろ!壁外からテメェが帰ってくるのがやっとなんだからそんな身分になって他人の命の保証なんか」
「だがお前ならやれるだろう?」


正直、珍しいと思った。


「お前はそういう奴だ。」


リヴァイはチラッと俺を見ながら、口の端を持ち上げた。
コイツがこんなに機嫌良さげにしているのは、正直珍しい。


「………お前、やっぱりエリザとなんかあっただろ?」


思い当たるのはどう考えても今さっきここを通り過ぎた、白に近い金の髪をなびかせたあの女兵士しかいない。


「さぁな?」


俺の言葉に無表情に視線を逸らし、歩き始めたリヴァイに、腑に落ちない思いを抱えながらその姿を追った。

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bkm

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