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80万打企画


ハンジ特製ジュース〜真相


「………んー……」


翌朝、目が覚めると異常なほど体のダルさを覚えた。
体も怠いし、頭もボーッとするし、なんで今日おやすみじゃないんだろう…、なんて思いながら、リヴァイさんを起こした。


「……………ね、みぃ……」
「でも、もう、起きなきゃです、よ?」
「……………んー…」


元々朝に弱いリヴァイさんは、いつも以上に気だるそうにしていた。
そして2人、なんとか起き上がって、いつものように朝の支度を始める。


「…………」
「…………」


いつも以上に、沈黙が多いのは、気のせいじゃないはずだ…。
……朝からこんなこと、聞くのはちょっと…、とは思うものの、少し、気になった、し、今聞かないと、話を切り出す機会を無くしそうで…、だから躊躇いながらも、今切り出すことにした。


「あ、の、」
「あ゛?」


リヴァイさんは眠いのだろう、不機嫌さがいつになく高い気がした。


「リ、ヴァイ、さん、は、」
「…」
「き、」
「き?」
「………昨日、みたい、なの、が、好き、なんです、か?」
「………………」


まさかリヴァイさんを静止出来るはずのない私は、リヴァイさんのいるであろう方向を向きながら、リヴァイさんが映らないであろう床に目線を落としながら聞いた。


「………………」
「………………お前、」


長い長い、沈黙を破ったのは、リヴァイさんだった。


「覚えてるのか?」
「え?…………お、ぼえて、ます、け、ど?」
「……………」


予想もしていなかった言葉に、思わずリヴァイさんの方を向くと、相変わらず無表情なリヴァイさんは床を見るとはなしに、見ていた。


「………名前。」
「はい。」
「忘れろ。」
「え?」


どこを指すと言うわけでもなく、人差し指で空を指したリヴァイさんは、それだけ言って部屋から出て行った。
……………えー、っと。
私何か、聞き方を間違いえたんだろうか…。
リヴァイさんのこの行動に、首を傾げなら12月26日の朝が始まった。




「おいっクソメガネッ!!!!!」
「やっほー、リヴァイ!あ!!あなた一晩でお肌ツルッツルになったんじゃない!?なになに、楽しかった楽しかった!?私に感謝でぐはっ!!?」
「…………」
「ちっ、ちょっ、ごふっ!!?」
「…………」
「兵長ぉぉぉぉ!!?さすがにそれ以上はまずいですっ!!分隊長が死にますっ!!!」
「…おい、クソメガネ。お前に聞きたいことがある。」
「………」
「返事しねぇかっ!!」
「兵長っ!!!分隊長はもう虫の息ですっ!!!自分で答えられるものなら自分が答えますからっ!!!落ち着いてくださいっ!!!」
「…モブリットよ。」
「は、はい?」
「昨日この変態クソメガネが名前に何飲ませたか知ってるか?」
「え?昨日、です、か…?」
「コイツから貰った特性ジュースとやらを飲んでから…まぁ…様子が、」
「でも楽しかったでしょっ!?」
「煩ぇっ!!!」
「兵長!!!落ち着いてくださいっ!!!」
「…………」
「え、えぇー、っと、名前に何飲ませたのか、俺はわかりませんが、」
「……」
「思い当たるものなら1つあります。」
「なんだ?」
「…先日兵団が管理してる馬に分隊長が作成したある液体を飲ませたんですが、」
「………」
「その液体を飲んだ後で、その馬たちが異常発情を起こした事件がありました。」
「…………………じゃあ何か?俺たちは馬と同レベルってことか?あぁ?おい、クソメガネ、聞いてるのか?」
「(俺もう止めたくない…。キレるのは当たり前だ…)兵長、もう本当に意識ないんで、」
「おい、お前。この程度で楽になれるなんて思っちゃいねぇよな?」
「この人こう見えて分隊長なんで。ね?今後のためにもここは一つ、」
「気絶して楽になろうなんて思ってんじゃねぇぞ、コラ。」
「そろそろエルヴィン団長が来ますよー。」
「………チッ!」



「はぁ…」
「どうした、どうした!エルド元気ないねぇ?」
「あぁ、ナナバさん。………いや、もう兵長の機嫌が最悪で、」
「え?リヴァイ機嫌悪いの?」
「悪いなんてもんじゃないですよ…。もう誰が何やらかしやがった、ってレベルで、」
「え?知らないの?」
「ハンジ、ってあんた、どうしたのぼろっぼろになって…。」
「実はねぇ、リヴァイってば私のプレゼントで調子に乗ったみたいで、」
「プレゼント?って昨日の?」
「うん、ほら、リヴァイ誕生日なのにプレゼントないと可哀想だろう?だから!私が開発した媚薬をこっそり名前に飲ませて、乱れる名前をプレゼントしようか、って思って、」
「ハンジ、あんた…」
「それは…」
「そしたらそれに調子乗って如何わしい性癖を名前に晒しちゃっどぅあっ!!?」
「………よくわかった、ハンジ・ゾエ。お前には『学習能力』と言う言葉がないんだな?学習しねぇ馬鹿は躾ようがない。今死ね。」
「兵長っ!!!落ち着いてくださいっ!!!ハンジ分隊長、もうぼろっぼろですよっ!!?」
「ち、ちょっとモブリットも止めに入って、」
「ナナバさん。俺はもう午前の部で十分止めたんで、後はエルドに任せましょう。」
「…あんたに見捨てられたらハンジ死ぬよ?」
「たぶん1回くらい死んだ方が兵長のためだと思います。」
「…完全にハンジは死ぬな…」
「まぁ本当に命の灯火が消えそうなら最悪名前連れてきましょう。そしたら兵長も止まるかもしれない。」
「………ねぇ、モブリット。」
「はい?」
「如何わしい性癖晒したって何?」
「それはあの人の如何わしい妄想なんで気にしないでください。」
「…あんたも大変だね。」
「エルドほどじゃないと思います。」




「眠そうだな、名前。」
「ミケさん…、すみません…。」
「いや、酒飲んだ翌日はみんなそんなものだ。」
「は、あ…。」


ミケさんと2人、駐屯兵団へ書類を届けに来た私が、この時の食堂の騒動について知ることはなかった。

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