キミのおこした奇跡


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traveltrouble


Home party


「工藤くん日増しに不機嫌になっていってるね」
「オメーのせいだろーがっ!!」


優作さんや有希子さんにカリフォルニアのテーマパークや観光名所にいろいろ連れてってもらって私感激!
なんて思っていたら一緒にテンションあげて観光してたはずの工藤くんは、すっごい不機嫌にゃんこになっていた。


「なんで私のせい?」
「オメーが初日に俺のベットで我が物顔で寝てからちゃっかりそこに居座って俺がソファで寝るハメになったからだろーがっ!!」
「大丈夫だよ!」
「何が!?」
「あれソファベットだから寝やすいでしょ!」
「だったらオメーがソファで寝ろよっ!!」


にゃんこってば相変わらず心が狭いなぁ!


「今日はパーティなんだよ!そんな顔してるとみんな心配するよ!」


そう!
今日は有希子さんが言ってたホームパーティの日!
私ホームパーティなんて初めてだけど、お世話になりっぱなしも悪いから何かお手伝いしようかと思ったら、工藤くんに全力で止められた。
犠牲者が出るって…。
それはちょっと酷い…。


「うん!あおいちゃん可愛いわよ!」
「あ、ありがとうございます!」


ホームパーティだからそんな堅苦しくないそうだけど、少しはお洒落にした方がいいみたいで、こっちに来てから有希子さんに服を渡された。
なんでもアメリカだと私に合う服を見つけるのは大変だそうで、日本で買ってもってきてたそうだ。
何から何まで悪いなぁと思いながらも、やっぱり女の子ですからっ!
可愛い服はほんとに嬉しい!!


「おや、本当に似合うね」
「ほんとですか!ありがとうございます!」
「新ちゃんもそう思わない?」
「馬にも衣装だな」


へっ!って顔して工藤くんが言った。
馬にも衣装?


「違うよ!馬子にも衣装って言うんだよ!工藤くんそんなことも知らないひゃいいひゃいいひゃい!」
「嫌味だよ!い・や・み!!そんなのもわかんねーで、いちいち指差して偉そうに言うんじゃねーよっ!」


知らないのかと思って教えてあげただけなのにっ!


「あらヤダ!もうこんな時間!そろそろお客さん来るから新ちゃんたちも準備してね!」


ついにホームパーティが始まる!
なんてドキドキドキドキしてたけど、考えてみれば当たり前なこと。
だってここはロサンゼルスで。
てことはアメリカなわけで。
つまりは日本じゃないってことで。


「○×◇※♯〜…」


みんなが何喋ってるのかさっぱりわかりませぇん…。


「Hi!」
「えっ!?」
「△○!♯$☆」


い、いきなり話しかけられたっ!!
ど、どうしよう!
私は日本人で、英語が出来ません、て言えば通じるのかな!?
で、でもええっと、なんて言うんだっけ!
ああ、緊張しすぎて単語が出てこないっ!
ええっと、


「あ、あいきゃんと、すぴーく、じゃぱにーず」


あれ?
なんか変な顔され


「いったい!!」
「少し黙ってろ。…○☆$♯〜」
「△!♯☆◇○〜」


す、すごい!
にゃんこがっ!
にゃんこが宇宙語喋ってるっ!!
いやむしろ猫語?
にゃんこだから猫語?


「え?」
「○◇♯%☆!!」
「え?え?」


よくわからないけど、話しかけてきたアメリカンに励まされた気がした。
…なぜ?


「ね、ねぇ、工藤くん、さっきの人なんて言ってたの?」
「…まぁ、頑張って生きていけって感じ?」


よくわかんないけど、やっぱり励まされたらしい。


「てゆうか工藤くんどこ行ってたの!」
「は?トイレだけど?」
「私を捨てないでって言ったじゃないっ!!」
「…オメーさぁ、どうやったら自宅にいながら人捨てることできんだよ」
「今みたいに野放しにして捨てるんだよっ!こんな宇宙語話す人たちの中に捨ててかないでよっ!!」
「あおい前に英語の歌うたってなかったっか?」
「だってあれは耳に入った通りに覚えればいいだけでしょっ!でもみんな授業でやった通りに、あいはぶあぺん、なんて一言も言わないじゃんかっ!!」
「…俺たまには1人になりてぇんだけど」
「私が寝てから1人になればいいでしょっ!ほら、あっちにご馳走あるから行こう!!」


結局この日も工藤くんの手を引っ張りながら、つつがなくパーティは過ぎていった。

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bkm

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